ツケにはハネよ 切り違い一方をノビよ

1.ツケとは黒1の石に白2と打つことをいいます。

2.「ツケにはハネヨ」とは白2と打たれたら、黒3か、L9に打つことをいいます。
もう一つの方法として、ノビがありますが、これは「ツケにはノビよ」で説明します。

3.右上の形に白がJ10と打った状態をキリチガイといいます。

4.この場合は、基本として、アタリを打たないで右下の様にノビます。
これを「切り違い一方をノビた」といいます。
アタリを打つと、自己の石の断点が多くなり、弱くなるということが、そうする理由です。
ノビの方向は、黒5の石、黒7の石それぞれから2つの方向にノビることが出来ます。その選択は其のときの周囲の状況により判断します。
この様に自分の石を補強することが、白石を攻めることになります。

5.左上白12と白がツケた時に黒がハネやノビを打たないと左下の様に攻守所を変えて、黒が苦しくなります。
従って、ツケられた時に手抜きをするのは、余程のケースで、原則的にはハネやノビを打ちます。

アタリ、アタリはヘボ碁の見本

「切り違い一方ノビヨ」の逆は、アタリ、アタリと打つことです。

黒1のアタリ、黒3のアタリに白はポンヌキされてはいけないので、逃げますが、この結果はどうでしょう。
黒は4つの石がバラバラになっていますが、白は4つの石が丈夫になっています。黒は先手で打ったのだから、黒が有利になっていなければならないのに、結果は逆の様です。

近くに他の石があったら、このアタリアタリが良い場合もありますが、一般的には、このアタリアタリは良い手ではなく、ヘボ碁の見本と言われることになります。

サバキはツケよ

黒の石が多く、対等な戦いは難しい状況です。サバキによって多少黒に利を与えても、攻められない様な形を作ることが求められます。

サバキはツケという手法が多く用いられます。

<右上>
白1とツケ、黒2なら白3とアテて、以下11まで、白の1子を犠牲にして、良い形を得ました。こうなると、黒の2子が弱くなって、白のサバキが成功です。

<左下>
白13に黒14なら、以下19まで、黒の1子をシチョウに取って、目的を達成しています。
<右上>
上辺の黒は直接動いても、攻められる一方になるので、白の2間ビラキの石にツケてサバキを得ます。

<左下>
黒9と直接動くと、攻めの標的になります。

<上辺>
黒1のツケに対しては、白2のツケがサバキを可能にする手筋です。白8まで、サバキが実現しました。
上辺左方の白3子は薄くなりましたが、やむをえないところです。

<下辺>
白10に黒11は右側の白にも影響させながら、ワタリを止めた強い手です。白12を利かして、白16と守るのが形です。