捌きはツケにあり

置き碁で白が黒石にツケることが多いですね。
このツケは何かというと、捌き(サバキ)を目的にしています。
棋譜の白10、白20はいずれも、黒石の囲いの中で、白が生きたり、厚みを作るための捌きの手筋を放ってます。
左辺は、黒連絡して一安心なんですが、まだ、C3の三々も残っているし、必ずしも、黒有利ではなく、あくまでも互角、定石です。

右上のコゲイマジマリに対する、22のツケは相手の様子を見た手です。
L9に伸びると、白は右上に最低限の生きを確保します。ただし、この様に、生きるのは、時期を選びます。あまり早く生きると、黒の厚みが全局的に力を発揮し、黒有利になりますので、黒の厚みが働く可能性が少なくなった時を選んで、生きを図ります。

変化図右上では白を生かさないとした場合黒は、右上を地にしたが、白は中央から右辺を模様にして、黒の実利に対抗しました。
これは3子局になってますから、黒有利ですが、白の模様が働くと、黒勝つまでは、大変です。



攻める石にツケルな

ツケというものについての認識間違いをしている人が多いので、この
補足説明をします。
初級者が、ツケは攻める手段だと思うのは何故でしょうか? 理由がよく分かりません。
ひょっとすると、置き碁などで、白がベタベタとくっつけて来て、結果、黒が取られたり、不利になることが多いからでしょうか。
断じて、間違っていますね。ツケは捌き(さばき、つまり、相手の勢力圏で、凌いだり、良い形で逃げ出したりすること)のために打つものです。
だから、攻めようと思っている石には基本的にツケルことはありません。

ここでツケノビ定石を紹介します。
ツケノビ定石とは、右上の黒5からの定石です。この黒5は白を攻める意図は全くありません。4につけることにより、黒11方面に勢力を作ろうという手です。白は、左上に模様を作りました。
黒5を打つ時白4を攻めていると思って打つ人は基本的に間違ってます。
実戦例
ある本にあった、有段者同士の棋譜。多分低段者なんでしょうね。
攻める石にツケるなということなので、黒1が悪手ということです。
白4までの結果は、左辺の黒2子が弱くなっているし、左下の黒も三々の打ち込みがあって、黒不利の局面になって、しまいました。
ではどう打ったら良かったか?
下記の様に打って、白を攻めます。この図は下辺の白2子も黒3が来たことによって、不安な石になりました。
そもそも、白は左辺に打ち込むという発想が悪く、D8の打ち込みでは、R14に打ち込むのが妥当でした。