厚みに近づくな、厚みを地にするな、相手の石を自己の厚みに誘い込め、生きている石から動くな


下記の6つの格言はほぼ、同じことを意味しています。
厚みを囲うな
 厚みを直接地にしようとすると、効率の良い囲い方ができにくい。
 厚みを攻めに使うことが、厚みを効率的に使うことにつながります。
生きている石から動くな
 自分の生きていない石が危なくなる。
 自分の生きている石に近い着手は効率が悪い。
強い石に近づくな
 相手の強い石に近づくと、危険。
 自分の強い石に近づくと、効率が悪い。
生きている石の近くは小さい
 生きている石の周りの石を取っても小さい
相手の石を自己の厚みに誘い込め
 相手の石を自己の強い石に追い込む為には、反対側(自己の弱い石)から、動くのが良い。
強い石から動くな、弱い石から動け

碁の勝敗は地の大小により決まりますが、最初から地のことに固執すると、地を作るという意識が相手の利かしが増えることになります。

黒35  左上の白の厚みに近づきすぎた悪手。
白36  それを咎めて、36に挟む
黒39  黒は飛んで逃げるしかない。白は右辺に新しい模様が出来た。上辺の黒が弱いので、右辺に自動的に地が出来る可能性が高い。

生きている石の近くは小さい

右上は黒小目に対して白一間ガカリ、黒コゲイマバサミから始まる昔からの定石です。この段階では左辺、或は下辺が大きいのですが、黒1と切ってきたら白はどうするかということです。

白は2とアテテ、押す一手です。「生きている石の近くは小さい」 つまり、右上の黒7子はもう生きていますので、この様に打っても、黒地が10目強増えるだけです。この段階で後手で10目強増えるのは小さいのです。

以降黒は黒11、黒13と生きている石の近くを打ち、白は遠くを打ちました。この段階では、まず間違いなく白優勢です。