ケイマの急所

近くに相手の石がある時は特に、ケイマの形は一間トビの形より連絡の力が弱いものです。そして、相手の石の位置はケイマの石に対する黒1、白2の地点が急所になります。 これは、一間トビの石に対するノゾキと似ていますが、一間トビがノゾかれた時にツグのは立派な形ですが、ケイマが急所を衝かれツナグ場合には、良い形は得にくいものです。

<右上>
白のケイマガカリの石を重くする目的で黒コスミツケて出来たこの形の急所は黒1です。 黒1はケイマの切断を狙っています。

<左上>
大ゲイマジマリからE14に守る形は良い形ですが、周りの白石がこの様に強くなると、黒のケイマの形の急所を衝く白2で手になります。

<右上の変化> 切断を防ぐ為に、黒を強化する白4、6を打っても、依然として白は根拠がなく、攻められる形です。

<左上の変化>
以下白48まで、白有利なコウになります。
この図は武宮正樹九段と趙治勲九段の実戦譜です。
武宮九段の厳しい攻めに対して、趙九段は、白1と黒のケイマの急所を打ってシノギを図っています。
シノギは単に守るだけの手でなく、相手の急所、弱点を衝くことにより成功の可能性が高くなります。
黒1のボウシの定石形です。
白10まで黒の言いなりですが、白12が黒のケイマの石の急所になっているので、白も打てる形です。