櫻井氏への質問の詳細20

S拉致監禁の事実を認めるのですか、それとも認めないのですか。
 =(p104〜105)

櫻井:「米本のレポートや当人のホームページを参照する限り、この3名が十分な合意を得てカウンセリングに移行できたとは言えない。しかし、それ以上に問題であるのは、なぜこのようなカウンセリングを受けなければいけない状況にいたったのか、当人たちがカウンセリングを通して納得できなかったところにある」

 ページがはじめのほうに戻って、最後の質問です。
 ルポや、宿谷さんと高須さんのホームページを参照すれば、2人はある日突然、家族らによって拉致され、アパートの一室に監禁され、そして数ヶ月にわたって監禁下で脱会説得を受けた、とはっきり書かれています。それなのに、どうしてこのような記述になるのでしょうか。
「この3名が十分な合意を得てカウンセリングに移行できたとは言えない」
 十分な合意といったレベルではなく、ある日、突然拉致監禁されたと本人たちは書いているのです。
 ルポやホームページを参照された限りでかまいませんが、彼女たちは拉致され監禁下で説得を受けたと認められるのですか、それとも認めないのですか。

 櫻井さんは、パスカル氏のところで当人たちの「拉致監禁された」という訴えを聞かれたはずです。またホームページを読んで、そのことを確認されたはずです。
 それなのに、「十分な合意を得てカウンセリングに移行できたとは言えない」と表現するから、このあとに続く、監禁下での説得を受けることの納得云々の文章が理解不能なものとなるのです。
 察するに、
米本のレポートや当人のホームページを参照する限り、この3名が拉致監禁され、監禁下で説得を受けたのは間違いない
 と書くのを恐れたのは、反統一教会陣営のライター、弁護士、牧師たちからの批判が予想されたからでしょう。
 といって、
米本のレポートや当人のホームページを参照する限り、十分な合意を得てカウンセリングに移行できた
 と書けなかったのは、ルポやホームページを読んだ読者や学者から「事実とまるで違う」と批判されることを恐れたからだと推測します。
 それで「十分な合意を得てカウンセリングに移行できたとは言えない」と、前述した風見鶏的リスクヘッジ文を思いつかれたのではないでしょうか。