櫻井氏への質問の詳細18

Q第3段階のケアの実際をご存知ですか。
 =(p115)

櫻井:「米本は第三段階のケアがじっさいに行われている事実を軽視している」

 第三段階とは「脱会した信者の心理的サポートを行う一連の、長時間にわたるカウンセリング」のようですが、私は「事実を軽視」しているのではなく、事実そのものを知りません。福音系の牧師は長時間にわたって脱会後の“ケア”を行っていますが、それは福音系のクリスチャンにするためであって、ケアではなく、改宗説得にほかなりません。ご自身が所属される日本脱カルト協会で杉本牧師が講演したレジュメを読んでください。
 日本基督教団の牧師では黒鳥氏、清水氏の実例を知っていますが、彼らは信者が脱会するとすぐに就職することはやめるように指導し、モラトリアム時代をつくり、その間に勉強会に誘います。その勉強会とはルポで書いた通り、これから脱会説得(拉致監禁)を考えている父母の前で、自分の体験談を話したりする場のことです。長い人で一、二年は勉強会に通います。そのことからすれば「長時間」には違いないのですが、勉強会に参加したり、体験談を話したりすることが心理的サポート、カウンセリングになるのでしょうか。
 また、少なからぬ牧師はケアの一環だとして、勉強会に通う脱会信者を監禁された信者のところに出向かせ、脱会説得の補助をさせています。これが私が知る「第3段階」の実態です。
 ちなみに、日本脱カルト協会の理事長である浅見定雄さんに「こうしたやり方は問題ではないか」と疑問を呈したことがありますが、彼も「問題だと思う」と答えていました。
 もし、櫻井さんのいうような第3段階の事実があるのであれば、具体的に教えてください。