櫻井氏への質問の詳細1

@私のルポに対して、家族や牧師が法廷で反論した事実はありません。
 =(p79〜80)

櫻井:「このような批判に対して、家族関係者や牧師たちは、法廷で反論した。『拉致監禁』ではなく、『保護』である。『強制改宗・棄教』ではなく、親と子、夫と妻の『話し合い』であるという」

 引用した前の文章を読みますと、「このような批判」には、室生氏の『創』の連載記事だけでなく、私の『教祖逮捕』(99年、宝島社)とルポも含まれています。
 しかしながら、室生氏の記事と違って、私が2つの記事で取り上げたのはいずれも裁判になった事例でありません。
 『教祖逮捕』では荻窪栄光教会に所属していた黛氏(記事では匿名、当時牧師見習い)によるA男さんの拉致監禁未遂事件、そしてルポでは戸塚教会の黒鳥牧師と大田八幡教会の清水牧師による宿谷麻子さん、高須美佐さん、黒鳥牧師による中島裕美さんの拉致監禁事件のことを書きました。ルポでは裁判になった事例も取り上げていますが、それは<拉致監禁か家族の話し合いか>といった裁判で争点になった事柄ではなく、監禁中に、高澤牧師による2人の女性信者への乱暴な言動があったことを批判的に紹介しているだけです。
 したがって、私の記事に家族関係者や牧師たちが法廷で反論した事実はありませんし、そもそも裁判当事者にとっては関係のない記事ですから反論できるはずもありません。
「法廷で反論」は筆の走りすぎだったとしても、統一教会信者を未遂を含め拉致監禁したと私が記事で名指しで書いた黛氏、黒鳥牧師、清水牧師、また信者家族からも「あれは家族の話し合いだった」といった反論は一切ありませんでした。
 事実を正確に述べれば、黛氏は反論どころか監禁しようとしていた事実を認めていますし(『教祖逮捕』p251〜252)、黒鳥氏、清水氏はいずれも取材拒否で、ルポが発表されたあとも反論するどころか沈黙を守っています。一方、家族の方々は、一家族を除けば、拉致・監禁であったことを素直に認め、反省していらっしゃいます。
 拉致監禁が行われてきたという私の記事に反論した人はこれまでまだ一人としていません。
 櫻井さんの記述は事実誤認も甚だしいのですが、いかがでしょうか。
 もしお認めになるのであれば、増刷の際には訂正してください。