胆 勤 サ 第 37 号

                           平成24111

岩手県知事 達 増 拓 也 様

                    岩手県奥州市水沢区字横町2番地1

              社団法人胆江地区勤労者福祉サービスセンター

                   理 事 長   小 沢 昌 記

公益法人制度改革に伴う移行申請の現状改善の要望について

 標記制度改革については、既にご承知のように期限終了まで1年10ヶ月となりました。新制度への理解浸透や同業他法人の情報提供もあり、申請件数は増加し一部の申請率の高い県(京都府、東京都、滋賀県、兵庫県)は50%を超えているものの、昨年末で10%付近の低迷している県もあり、その処理能力の差が拡大する状況となっています。

岩手県においては、平成2012月時点で300を超える特例民法法人に対し、この3年の経過期間で答申が出されたのは21件です。このような進展状況ですと、残された期間内に健全な事業運営を行っている法人で移行申請しても解散をさせられる懸念があります。

内閣府のホームページを見ますと、『民間非営利部門の一層の発展の期待』とか『申請を円滑に行い新制度の下で「新しい公共」を定着させ、国民の「居場所」と「出番」が確保され、様々な主体が「公」に参画する社会の構築』との認識のようですが、手続きに当っての実務において、内閣府の意図と乖離があるように思われてなりません。

また、今回の改革は主務官庁の自由裁量制に伴う補助金付き天下り、優遇税制のもとに収益事業で莫大な利益計上及びその利権にかかる非効率で不透明な経営等への批判や問題に対する行政改革の一端として位置づけられている改革であると理解しております。

つきましては、現状の問題点の改善要望を致しますので大所・高所から対応いただきたく宜しくお願い申し上げます。

1 制度改正にかかる行政主催の説明会等の主な経過

    平成20年8月28日・1017日 制度改革概要の説明会(内閣府) 県民会館

平成21年6月〜7月     個別相談会

    平成21年7月31日      制度改革概要の説明会(岩手県) 県公会堂

    平成22年7月22日      制度改革の個別事案の地域相談会 県南広域振興局

    平成22年7月29日      制度改革の質問形式の説明会   奥州市内

2 申請にかかる問題点

   ・平成23年においてサーバーの稼動停止等により入力できない日が数日あり、今後についてもそれらの発生が想定される。

・県の担当等から追加資料作成の指示に従い入力するものの、システムから送信できず別ルートでのやりとりに時間と労力を要し、本来の迅速性を活かせてない。

   ・事前審査が求められる際に、その手引きについては内閣府のものを準用するよう指導があるものの、書類を提出した際の実際の指導にあ
   たっては、岩手県として内部統一されていると思われる記載例や書式や文言のチェックがある。 特にも定款変更の案を組織内で検討し、県に
   相談するものの、組織内の協議結果がほとんど反映されていない状況が散見される。

   ・個別の事情のひとつとして、昨年8月上旬に必須書類の送信後、数回の修正と追加書類のやり取りをしているが、県の処理の見通しが分から
   ないため、確実な期日を設定した案内等を出せない。

3 県に要望する改善点

  ・今後の処理数を大幅に引き上げるためにも、公益認定等審議会の回数増等をお願いしたい。

  ・特例民法法人としては毎年振興局担当課あてに毎年各種資料を提出するとともに、概ね3年1度は指導・監査を受けていることから、法人の
  現況や特例民法法人における継続される事業の該当性について振興局担当課と連携を密にすることや、今までの県の指導監査を尊重し法的
  な問題の無い法人については、審査業務の簡素化をお願いしたい。 また、定款変更の案ついては、現在の定款変更登記と同様に振興局と協
  議のうえ総会に提案し議決を経たのちに審議会にかかるような流れにしてほしい。

  ・岩手県の担当者が他業務との兼任であり、なかなか迅速に法人との協議が進まない現状がある。担当課経由ということであればぜひ担当者
  の専任をご検討いただきたい。

  ・岩手県としての審査業務の独自の進め方があるのであれば、県のモデルとなる記載例を公示した上で講習会等を開催し、文言の記載方法等
  の統一をは  かるべきと感じる。近隣他県で行っている講習会をぜひご参考になさっていただきたい。

  ・移行を推進するうえでアドバイザー等の指導体制の確立をお願いしたい。

以上