*世界に一台しかないカメラ*
カメラの皮貼り


今日は世界にただひとつしかないカメラの
作り方を紹介しましょう。
それほど難しいことではありません。
そうです。あの冷たいレザーを剥がして
自分流の皮に貼りかえるのです。
もっとも、昨今の石鹸のようにぬるっとした
カメラでは無理ですが。


これはミノルタCLEに緑色のトカゲの皮を貼ったものである。
上の写真はニコンF3にクロコダイルを貼った物である。
いずれも世界に一台しかないカメラである。

まず、皮の選択から始めなければならない。
これがけっこう大変なことである。
クロコダイルはワシントン条約によって輸入禁止だから、
ちょっくらちょいには手に入らない。従ってトカゲが手に入れ易い。
他には、海蛇、ダチョウ、蛙、ゼンザンコウ、牛皮などがある。
厚みが問題で、平均した厚みの方がよいのだが、なかなか無い。
0.3から0.5ミリくらいの厚みで、エナメル塗りしたものが良い。
探す場所は「東急ハンズ」や手芸店である。
どうしても無ければ、財布などを壊す手もあるが、もったいない。


適当の皮が見つかったら、裏にトコノール(皮裏処理剤)を擦り込み、
本などでプレスして出来るだけ平らにする。
(失敗することも考慮してそれなりの面積が必要)
乾燥したら、両面テープを貼りつける。
始めはあまり強力のテープを使わないほうが良い。
皮側に強く、カメラ側に弱めのほうがよさそう、後日修理を考えると。


さて、皮の準備ができたら、いよいよカメラのレザーを剥がす。
接着力の強いカメラとそうでないものがあり、経時変化にもよるが
慎重に、ゆっくりと剥がす。まず楊枝の先で剥がし始め、アイスクリームの
心棒を洗って乾かしたもので少しずつ剥がしてゆく。
急げば、レザーが伸びてしまうからである。
剥がしたレザーはわずかながら伸びた分を自然回復させるために
一晩放置したほうが良い。
まだ、糊がわずかに利いているから、そのまま皮の上に載せてぴったりと裁つ。
糊が強いと、折角の皮が侵されるので別の方法をとらなければならない。
直接はさみで裁つのは勇気が要るが、カッターナイフなどより結果が良い。


切りぬいた皮のコバにもトコノールを塗っておく。
皮が厚い場合は図のD、Eに力が加わるとめくれてしまうので、あらかじめ皮の裏を
形のあたりをつけて「皮そぎ」で削っておくと、ABCのようにしっくりする。
気をつける事は、レザーの下にはネジや調整可変抵抗器などの穴があり、
薄い板で蓋がしてある。右の図はニコンF3の当て板位置を示す。
これらは元通り、蓋をしなければならない。
また、このことはやがて故障などで修理すると折角貼った皮も剥がなければ
ならない訳で、予備の皮を残して置かなければならない。


さて、外側の直線ははさみで切れるが、刳り貫きや急の曲線は厄介である。
ペン型カッターで根気良くカットしてゆくしかない。気に入らなかったら
もうひとつ作れば良い。また、元のレザーはビデオテープのラベル台紙などに
くっつけて保存しておくことを進める。


一番目に付く部分は皮の柄や向きに心を配るべきである。
あまりの皮はレンズキャップなどの小物に応用出来てたのしい。
最近のレザーが貼ってないカメラでも、やり様によってはうまく行く。
右はニコンF4の裏蓋である。厚めの艶消し牛皮でスリップ防止を図ったもの。

トカゲ皮であれば
普通のトカゲで30センチ大程度の皮が
1500円から3000円位で東急ハンズにあった。
オーバルトカゲはちょっと高い。
色も茶。クロ、緑、紫など多彩であるが、
何時でも在庫しているとは限らない。
あなたもミレニアムに如何。

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