サーモWAXING効果について

2000年TOKO社より画期的なシステムが日本上陸
ファインコートフィニシュと言うサーモワクシング方法である
2001年夏、国産メーカーも同じ用途の新タイプマシーンを発売した
滑走面にWAXは中々浸透し難い
従来の方法だとホットワクシングを何回も繰り返す事で
徐々に浸透させ時間と根気の必要な作業でした
そこで、WAXとスキーを熱した状態で数時間放置するとWAXの染み込む・・・・
滑るソールが完成。
結果。滑走、持続性に優れたいつも良く滑るSKIとなるワケです
理論的にはGOODです。
問題は設定温度?とどの位時間をかければいいのか?

日本の雪は汚れてます。
滑っている時間が長くなれば汚れが付着します
ワンシーズン何もしなくてOKという訳にはいきません
マニアックなスキーヤーの間ではドクター中松なみに
数々の実用新案?が飛び出してます
コタツ案、夏の車の中に放置案、日立の布団乾燥機案・・・・ETC
ちなみに輸入メーカー曰く
「スキーはコンテナ船で赤道を通過する際に
相当熱い状態になりWAXが融けてるから必要ないんでは」と・・(笑)

実はこの方法、最新システムではないんですヨ
今から20年前にやってました
当時”どぶ付け”(きたない名称)と言ってました
棺おけ?を断熱材で覆い中にWAXとスキーを入れ、電熱線でヒーティングして一晩置く方法
ヤマハチームが実践してました。
当時、ヤマハスキー研究室で考案され、
ポリエチレンからシンタード2000番程度の素材です。
試行錯誤で70度前後の温度で最低8時間放置し、
やっとソールにWAXが浸透するのが確認できたそうです。
確かに昔のスキーは何回もWAXINGすると簡単に色素まで浸透した。
現在の高分子素材は60〜70度の温度、3時間の条件下で効果の程は・・・?

この夏、日本のメーカーが暖めて長時間放置する方法理論以外に
”真空機能”をプラスしたマシーンを開発しました。
この方法だと従来のタイプより遥かにWAXの浸透が多い・短い時間・温度を低く設定
できる等の利点が多い
このタイプは剥離のトラブルも起き難い。
ソールの酸化も少なく、ケバ立たない、高い滑走性の持続などかなり効果がある

ちなみに、当時のスキーは全てサンドウィツチ構造にウッドコア。
勿論スキー表面には振動吸収なる部品も無くシンプルでした
しかし、塗装のひび割れ、剥離するスキーもあり、リスキーな方法でした
それに比較すると最近のスキーはケバケバシイ飾りが付いて、
キャップ構造、プレートもプラスチィツク、ラバーが使われ・・・
表面の変形がちょっと心配です



スキーの成型温度は昔は100度以上、現在は70度くらいと聞いてます
接着材は今も昔もエポキシ系で熱硬化タイプ
接着材は1度硬化してしまうと更に高い温度でないと軟化しないタイプ。
そう簡単には溶け出しません
実際にワクサーで硬いWAXを塗る時は100度以上の設定もします
1ミリのソール材の裏は接着材で貼り付けてあるのに剥がれる事は稀である


良く滑るSKIとは(構造の違いは除外)
@優れた滑走面 
  (○○メーカーは滑るが××メーカーは滑らない・・・素材供給メーカーは同じなのに??)
Aストラクチャー加工
BWAXでの下地つくり
C雪質に合うWAXの選定
D古いWAX、汚れ、酸化膜の除去

レーサーならサーモワクシング後もC〜Dの再WAXINGの繰り返しは必要

どうも、スキーメーカーの設計、開発者とスキーWAX開発の間には
”温度差”があり過ぎる気がしてならない。
それと、日本人はマニアックな事が大好き民族である

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