最高に滑るストラクチャーはコレだ!


 今ではごく当たり前となった”ストラクチャー””ベースマーク”というスキー用語がある。 
何なの?と思われるスキーヤーに簡単に説明しましょう。 
意図的に滑走面にデコボコのスジを機械で付けるのです。
春の水が浮いた雪質になるとスキー板が吸い付いて前に進まない!
ナンテ経験があるでしょう。
そこで水はけを良くする為にスジが考案されたのです。
ツルツル面に仕上げた滑走面よりも大変良く滑るます。

何時頃からそうなったかと? 
日本では1986年頃に一部レーサー達にハヤリの兆しが見え始め、
90年代では一般スキーヤーにも当たり前!常識!となりました。 
ちょっと専門的になりますが、丁度この頃 ポリエチレン系の滑走面素材が、
”シンタードベース””P-TEX”と言う硬くて、
ワックスの浸透性、滑走性に優れた素材を使用したSKI に大きく変化したからなのです。 
そして、本場ワールドカップ選手は『”ストラクチャー”を使用している』等の
情報が日本のサービスマンにより”輸入”されセミナーなどで一般に公開されました。
当時、日本の湿った雪質にはコレ! スピード系ならコレ! 技術系ならコレ! だと
初期の頃、大別すると2つの「模様パターン」が主流でした。 
1つは「ストレートのストラクチャーでスピード系、湿雪に向いてる」 
もう1つが「クロスのストラクチャーで技術系、乾燥雪に向いてる」でした。



この10年間に実際どんなパターンが“ウワサ、流行した”と言うと

○最初に粗いストーレートで下地加工した上に細かいストレート加工が良い
○最初に粗いストーレートで下地加工した上に細かいクロス加工が良い
○最初に粗いクロスで下地加工した上に細かいクロス加工が良い
○斜めのクロス加工が良い
  (現在最もオーソドックスなタイプとして採用されてる)
○スキーセンターを中心に左右対象の斜めストレートが良い
○スキーセンターを中心に左右対象の斜めクロスが良い
○スキーセンター部分はストレートで両エッジ付近は左右対象の斜めクロスが良い
  (トップレースの世界では流行りそうな気配、予感がするが
   一般への普及度は・・・・? この加工が出来るマーシーンが輸入されてないから)

・・・・・こんな調子で紆余曲折があった
この10数年間の勝つために、良く滑るストラクチャーの”研究”いや”試行錯誤”の結果は……
良く滑るストラクチャーは10数年間、常に変化しつづけてます。
世界の学者が雪の研究をし、未だに何故滑るのか結論が分かれてる。
ストラクチャーに関しても同じと言える。
溝の深さ×粗さ×模様=パターンは無限大
上記のパターンはどれも正しいかも・・・
しかし、レース中でさえ雪、気象条件は分刻みで変化している
第1シードに合うストラクチャーは第2シードには合わないなんて事が起きる
トレーニング用に1台、レース用に2台の中から急遽変更する事も多々ある

21世紀に発売されたスキーメーカー毎にストラクチャーパターンが異なってる
2年前、サロモンのアックスセリーに刻まれた特殊なストラクチャーは1年で姿を消した。
01/02クナイスルモデルに見られるストラクチャーは来期には他メーカーも採用するかも?
同一メーカーのW-Cupレーサーのスキーでさえ国により数種類のパターンで違いがある
数学の様に答えは1つと決めつけられない
1台の板で色々な条件を滑る可能性があるスキーヤーは
可も無く不可も無く、平均的なパターンに納得するしかない
それと、
マニアックレーサーの勘違いを1つ指摘します。
大会直前に「冬用から春用ストラクチャーに変えてください」こんなレーサーが居ます
日本のスキー場は大体が湿度70%以上、極端に雪質が変化しない
1度入れた種目別のストラクチャーで十分対応可能範囲と言えるでしょう
新たに削った表面はV字谷のように鋭角で引っかかり、走らないスキーになります
使い込んだスキーはワクシング、磨耗でU字谷のように変化してるので抵抗が無く走る
勿論、十分にWAXが浸透している事もあります
付け焼刃的な方法は賢い選択でない場合もあります
ご注意下さい

そうそうスジで一つ思い出した
アイスコントロール加工
足裏のエッジ40cmくらいに超鋼バイトで溝をつけて
アイスバーンでのグリップを増すなんて方法も流行りました
やはり特殊なアイデアは1年で消えた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジ END