いい加減なビベル角度。


乾燥室で試合に備えてスキーのエッジ磨き、
ワクシングをしている熱心なスキーヤーの”カガミ”を見かける。
ん? でも良く見るととんでもない事をしている。 
滑走面側のエッジを一生懸命に、特に足裏部分を念入りにヤスリで磨いてるではないか!
はっきり申しましょう。
ヤメロー! 折角GOOD調子の板なのに・・・、
「ヤスリひとこすり0・5度ビベル」がつく。 
トップ、テール付近はフラットに近く、
センター部分は磨けば磨くほどビベルが付いた仕上げになってしまう
当然、磨けどエッジが効かず、スキーが流れる感じになる。
結果、毎回スキーの調子が変だと悩むのである。

新調したSKIの場合、@基本性能,特性Aチューンの具合B雪質の違いを考慮する
その上で、レベルによる違いはあるが基本はセンター部分はフラット気味でテストする。
特に、足裏付近のビベルが付き過ぎは最悪でしかない 
プロを自負するサービスマンにも似た様なケースがある。
昔のサービスマンは殆どが体育会スキー部出身
理不尽な説明、命令にも絶対服従の世界
先輩が後輩にソールにフラッターを当て”これが1度のビベルだ!”と
教育する”良く覚えておけ!”
悪き伝統は引き継がれるうちに、『1度が人によって異なるデタラメな1度がまかり通る』業界である。
また、講習会でも『ビベルはテープをヤスリに2巻きです!』
先生!質問  一体厚さ何ミリのテープですか? 
なんて”デタラメに近い1度”が堂々と講義されるのである。
”全世界共通の1度に統一しましょう!数学的な方法を講師は語れ!”

日本人は勤勉で手先の細かい仕事に向いてると世界から評される
私の知る限り、日本人サービスマンは外国人サービスマンより
絶対に正確で丁寧に仕事をする。
ホント 腕は確かで上手いです。
ただ残念ながら、語学、国際経験、世界のトップ通じる選手が少ないから自信喪失状態。
それが、島国ニッポンの弱点であり二流と思われているだけだ。



ちょっと苦手な数学のお勉強で理解しよう
カービングタイプが常識のスキー程、重要です
トップ部分=センター部分=テイル部分幅の差が激しくなって更に注意すべきです

 まず、タンジェント1度=0・017455 この数字を記憶して下さい
(参考:タンジェント0・5度の場合は半分の 0・0087の数字となります)

例題:ソール面側エッジに均一に1°ビベル角を付ける場合は

トップ部分幅が115ミリ    115×0・01745≒2・0ミリの厚さ(高さ)
センター部分幅が65ミリ    65×0・01745≒1・1ミリの厚さ(高さ)
テイル部分幅が100ミリ   100×0・01745≒1・75ミリの厚さ(高さ)

この数字のテープ厚さが、世界共通の1度 になる計算式と答えです。
今度は作業、実践上の注意です
3種類の異なる厚さに巻いたヤスリを用意するのは面倒です
センター部分に合わせた1・1ミリ厚さに巻いたヤスリを基準に作業
ヤスリをサイドカーブに沿って65ミリの距離を保ち、平行移動。

削るエッジとテープの距離が広くなればフラットに仕上がる。
距離が短くなればビベルが多く付く。
原理が理解出来たと思います。
同じ個所を何回も磨くと、同じ1度でも削れる幅が広くなるので効きが悪く感じる
同じ圧力、同じ回数,同じスピードで真っ直ぐに!後は馴れるだけ

W-Cupレーサーのスキーでもサイドエッジのみを磨いて立てます
余程の事がない限り、ソール側は触りません
Point
サイドエッジは切れ味を左右
ソールはスキー板の操作性、調子に影響する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジ END