巡礼正装                     巡礼解説
宗教的な霊験があるとされる地を「霊場」といい、それを参拝して回ることを「霊場めぐり」あるいは「巡礼」という。その代表的なものが観音巡礼と四国遍路である。
観音巡礼とは、観音菩薩を本尊とする寺やお堂を参拝して回ることで、四国遍路は、真言宗の開祖・弘法大師(空海)の足跡をたどって、ゆかりの寺八十八ヶ所を回ることです。
観音様は、人々の間で最も広く、そして最も深く信仰されている菩薩ですが、それは法華経の中の観世音菩薩普門品(観音経)というお経に、観音様は衆生のあらゆる悩みや罪業を救ってくれるという事がつぶさに説かれている事に由来します。
 そのお経に観音様は三十三身に姿を変えてこの世に現れるという事が述べられていますので、その数にちなんで近畿地方を中心に散在する三十三の観音寺院を巡拝のために定めたのが「西国三十三ヶ所観音霊場」です。
 今でも霊場を「札所」といいますが、昔の巡礼は霊場の観音様の前でお経や当山のご詠歌となえた後、そのしるしに納札という木の札を打ちつけていましたのでその名ができました。
 その後紙札に変わりましたが、巡拝することを「□番を打つ」というのも昔の納札の名残です。 
 納経のしるしに宝印をかたどった印を押してもらうのが習慣になっていますが、現在でも巡拝の記念に集印帳や納経軸・笈摺等に印を押してもらうことが一般に行われています。
先の百観音霊場の盛況とともに、全国各地にも多くの三十三観音霊場が生まれた。
 また観音霊場以外にも各宗派で霊場が定められ、さまざまな巡礼が行われた。全国各地でおなじみの「七福神めぐり」をはじめ「六阿弥陀霊場めぐり」「三十六不動霊場めぐり」「六地蔵霊場めぐり」あるいは「法然上人二十五霊場めぐり」「日蓮宗二十一か寺めぐり」「親鸞聖人二十四輩めぐり」などもある。
 いずれにしても霊場めぐりは、信仰心を高めて、亡き人の供養をし、自分自身を見つめ、発見し、そして救済を見出すための旅なのである。