無形文化財
 演劇,音楽,工芸技術,その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上または芸術上価値の高いものを「無形文化財」という。無形文化財は,人間の「わざ」そのものであり,具体的にはそのわざを体得した個人または個人の集団によって体現される。
 国は,無形文化財のうち重要なものを重要無形文化財に指定し,同時に,これらのわざを高度に体現しているものを保持者または保持団体に認定し,我が国の伝統的なわざの継承を図っている。保持者等の認定には「各個認定」,「総合認定」,「保持団体認定」の3方式がとられている。
 重要無形文化財の保持のため,国は,各個認定の保持者(いわゆる「人間国宝」)に対し特別助成金(年額200万円)を交付しているほか,保持団体,地方公共団体等の行う伝承者養成事業,公開事業に対しその経費の一部を助成している。このほか,国立劇場においては,能楽,文楽,歌舞伎,演芸等の芸能に関して,それぞれの後継者養成のための研修事業等を行っている。
 また,重要無形文化財に指定されていないが,我が国の芸能や工芸技術の変遷を知る上で重要であり,記録作成や公開等を行う必要がある無形の文化財について,「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」として選択し,国が自ら記録作成を行ったり,地方公共団体が行う記録作成や公開事業に対して助成を行っている。
重要無形文化財指定及び同保持者認定件数
平成12年4月1日現在
  種類 個人 団体
芸能 雅楽   0件  0人     1件  1団体 
能楽   7   10      1   1   
文楽   3   7      1   1   
歌舞伎   5   9      1   1   
組踊   0   0      1   1   
音楽   15   21      6   6   
舞踊   2   3      0   0   
演芸   1   2      0   0   
小計   33   52      11   11   
工芸技術 陶芸   13件  13人     3件  3団体 
染織   12   15      6   6   
漆芸   5   6      1   1   
金工   6   10      0   0   
木竹工   2   5      0   0   
人形   2   2      0   0   
撥鏤(ばちる)   1   1      0   0   
手漉和紙(てすきわし)   0   0      3   3   
小計   41   52      13   13   
  合計   74件 104人     24件  24団体 
上記表中,芸能の団体欄に掲げるものは総合認定,工芸技術の団体欄に掲げるものは保持団体認定によるものである。
重要無形文化財保持者の認定の方式
区分 認定の対象
各個認定 重要無形文化財に指定される芸能を高度に体現できる者または工芸技術を高度に体得している者
総合認定 2人以上の者が一体となって芸能を高度に体現している場合や2人以上の者が共通の特色を有する工芸技術を高度に体得している場合において,これらの者が構成している団体の構成員
保持団体認定 芸能または工芸技術の性格上個人的特色が薄く,かつ,当該芸能または工芸技術を保持する者が多数いる場合において,これらの者が主たる構成員となっている団体