仏教のはじまり
 釈迦の教えとは?
釈迦の説いた教えは、さとりを開いて此岸から彼岸へ渡れというものである。私たち人間が住む世界(此岸)は迷いや煩悩に満ち溢れている。この世界から悟りの世界(彼岸)へ到達しようとすることが仏教の目的である。つまり仏教は、「人生は苦なり」という見地からスタートし、その苦悩の解決法を説いている。
釈迦はまず出家して人々を導く役割を果たす修行僧たちを養成した。ところがこの修行僧たちは自分たちだけが彼岸にわたったら、その後人々を導くことを忘れてしまった。これが小乗仏教である。
悟りを開いて、彼岸へ渡れるのは出家して厳しい修行をした者だけである、という考えを持ち、普通の人々は見捨てられることになった。

 インドで小乗仏教から大乗仏教へ
出家者しか救われないとする小乗仏教に対して、釈迦の入滅後400〜500年後に、民衆すべてが救われるという大乗仏教が誕生した。
真の仏教とは、智慧も能力もない者もすべて救われるべきではではないかという思想に基づくものである。小乗という一部の者しか乗れない乗り物から、大乗という誰でも乗れる大きな乗り物へと仏教は変化していった。
 
大乗仏教は此岸での生き方を説いたもの
誰もが救われるとする大乗仏教だが、何もしなくてもよいというものではない。
小乗仏教が出家をし修業を積み、悟り(彼岸)へ達するという考えに対して、大乗仏教は此岸での生きる智慧を身につけよというものである。彼岸へ達することにとらわれず、此岸での生き方を説くのが大乗仏教である。「苦悩をなくすには、欲望をコントロールすることが大事」とし、その方法を説いている。