お前は俺のヒーロー4
目の前の光景を見た瞬間、僕とした事が三秒ほど脳活動を停止させてしまった。 愛すべき兄が、こんな危険な場所に何故!? おのれクソじじい・・・・僕との約束をまんまと反故にしやがって・・・・!相続税対策を万全に整えた暁には、即刻この手で葬り去ってくれる・・・・!! もうこうなったら、自分が赤い薔薇の騎士だと隠しておく必要もなくなった。僕は光のようなスピードで兄のもとへと向かった。 これ以上・・・・これ以上あの兄を、ケダモノどもの目に晒すのは耐えられない。 洗濯を担当している兄は、汚れの目立つ白い服を好まない。しかしながら、純真無垢な兄には、純白こそが相応しい。 だから僕は時々兄に、プレゼントと称して白い服を買ってあげる。 愛しい弟から貰った服をタンスの肥やしに出来ない兄は、恐る恐るそれらを着てくれるのだが、汚すことを嫌って出かける直前まで身につけない。たとえそれがシャツであっても、ズボンであっても・・・・・だ。 くわえて兄は、時々間抜けだ。ジャケットを羽織り、腕時計をして、バッグを肩にかけ、お気に入りの厚底ブーツまで履いておきながら、用意していた白いズボンを穿かずに出掛けようとするなんて事も珍しくない。 さて・・・・・そして今、兄の戦闘服は純白一色。さらにこの戦闘服のボトムはサポーター一体型で・・・・・・つまり、下着をつけないのだ・・・・。 禁断の花園を惜しげもなくさらした眩い裸体に!! ブーツと手袋とマントと帽子だけを身に着け!! あろうことかその手にはSM初心者用ソフト六条鞭が握られていて!! さらに初登場直後の萌え恥ずかしいセリフ!!! 『ケツまんこ』だなんてッ!兄さんの可愛い唇から『ケツまんこ』だなんてッ・・・・・・・あああああああああああああああああああああああ!!!!クソじじい、死ね死ね死ね死ね!滅びろ滅びろ滅びろ滅びろ!しかし、GJ! 果物のようなおちんちんをさらしている事に気付かぬまま、わらわらと群がってくる欲望の亡者どもを片っぱしから見事な亀甲縛りで拘束していく兄の前にスタンと降り立つ。 兄の殺傷力は、恐るべき事に弟の僕にまで容赦なく襲いかかってきた。 至近距離から受けるダメージは、想像を遥かに凌駕した。僕の股間ではエネルギーがチャンバー内で猛烈に加圧され、瞬く間に破裂寸前にまで充填完了し、愛の波動砲の発射準備はオールグリーンの状態になってしまい、もはや暴発まで秒読みだ。 父が長年温めていた『最終兵器エドたん』計画は、確かにこの地球に平和をもたらすだけの威力を持つものだ。だが同時に、味方へのダメージもはかり知れない諸刃の剣でもあった。 悪人どもの欲望にまみれた目から兄を隠すように立ちふさがった僕の耳には、骨抜きになった悪人どもの呻き声がざわざわと押し寄せた。 「ああ・・・・た・・・たまらん・・・・!あの可愛い上のお口から、『ケツまんこ』だなんて卑猥なセリフが聞けるなんて・・・・・!ワシはもう未練はない。足を洗って隠居する・・・!隠居して盆栽でもいじって静かに暮らすぞ」 「なんたる見事な天使のちんこだ!これぞ無垢の象徴・・・・!私は今、解脱の境地に到達した・・・!」 「俺も・・・き・・・き・・・・亀甲縛りにしてくれ・・・・!」 「ハァハァ・・・エドたん可愛いよエドたん・・・・ハァハァ・・・・!」 「可憐だ・・・・!」 「薄桃色だ・・・・!」 「フルーツのようだ・・・・!」 「剥けてない・・・・・・!」 「ち・・・ち・・・ちいさ・・・・ッ!」 初めての戦闘に、一種トランス状態にあった兄をお姫様抱っこしてその場を離脱する。僕も兄の攻撃を至近距離から受けて、そう長くはもちそうになかった。 兄をトラックのコンテナの上へと降ろしたところで限界を迎えてしまった僕は、鼻腔から迸る熱い血潮に耐えきれずガクリと膝を折った。 「アル!?どうした!?アル・・・・ッ?アルッ!アル――――ッ!!」 痛々しい兄の悲鳴にかぶさるように、イヤホンから管制室の声が入る。 『社長っ!最終兵器エドたんの威力は我々の予想以上です!場内総勃ちですっ!!敵はほぼ無力化しました!』 『よし、今のうちに全員捕えるのだ!地引網システム、大漁モードで作動!』 ―――地引網システムというのは、父の会社で開発した独自の犯人捕獲システムで、何のことはない、ただの地引網を対象に向かって射出して、重機のローラーで巻き上げるだけのものだ。 ともあれ、これで僕と兄の仕事は終了だ。 ・・・・だがしかし、僕にはまだやり残したことがあった。 「に・・・に・・・・兄さん・・・・ッ!兄さんに伝えなければいけない大切な事があるんだ・・・・」 「なんだ!?なんだ、アルッ!?」 涙声で僕にむしゃぶりつく兄を抱きしめながら僕は言った。 「兄さん・・・・また服着るの忘れてるよ!いつも家でだって最後に着ようと思って玄関にかけておいて忘れるくらいなんだから、今度からは最初っから着てよ・・・・!!!!」 「おわ~~~~っ!?気付かなかった――――ッッッ!!!!最後に着ようと思って忘れてた―――ッ!」 今頃真っ赤になってジタバタする兄の額にチュッとキスをすると、鼻腔から流れ出た血を拭い、僕は勃ちあがっ・・・・立ちあがった。 あの悪人どもの脳裏にバッチリ焼き付いているだろう、兄のブラボーな裸体の記憶を消し去らなければ・・・・!! 皆殺しにすればいいだけの事だが、兄の目の前ではそうもいかない。考えること数秒、僕は妙案を思いついた。 記憶を消すことは出来ないが、その記憶が霞むほど強烈な記憶を上塗りしてやればいいのだ。 「兄さん・・・・待ってて。大事な後始末をしてくるから・・・・これが済んだら、一緒に帰ろう?」 「おう。途中でコンビニ寄ってアイス買おーぜ」 僕の出血部位が鼻であった事に安堵した兄は、可愛い笑顔でうなずいた。 「う~ん・・・・しかし、兄さんだって見ちゃうだろうから、それなりに可愛らしくして衝撃を和らげた方がいいかもなぁ。僕の波動砲の砲身サイズは人類レベルじゃないもんなぁ・・・・」 兄から離れて身支度をしながら思案していた僕は、地引網システムを操るマーテルさんのポケットから覗くものに目を付けた。 「マーテルさん、その赤い水玉模様のリボン、ちょっとお借りしても良いですか?」 「ええどうぞ。もともとエドちゃんに上げようと思ったものだし、遠慮なく使って」 「ありがとう」 いつものブーツと手袋とつば広帽、そしてマスクだけは身につけたままブラウスとズボンだけ脱いで、股間でそそり立つ巨根の根元に赤い水玉のリボンを結ぶ。金色に輝く陰毛に赤い色が映えて、なかなか悪くない。 よし。これで準備は整った。 僕は、馬鹿丸出しで地引網なんかで巻き上げられている悪人どもの塊へと向かって駆けだした。 「悪人の皆さん。さぁ、この半端ない角度でそそり立つ、激しく脈動する血管もくっきり、エラも立派な、赤黒く光るデカマラをとっくりとご覧ください。そして・・・・しっかりとその脳裏に焼きつけろ!!!」 いつもの赤い薔薇の騎士の気障な決めポーズはそのままに、根元を赤い水玉リボンで結んだブツを悪人どもに見せつけてやった。 「ひぃぃぃぃ~~~~~!デカい・・・ッ!デカ過ぎる・・・ッ!」 「人として許されんサイズだ!!」 「バケモノー!グロすぎだろソレ!!」 「ギョエー!デカマラ怖いよデカマラ・・・!!」 「エドたんのフルーティーな裸体のイメージが薄れていく!!!ああああ!や、やめろ~~~!」 「エドたんのおちんちんがぁぁぁぁぁ!!」 「エドたんの乳首が脳内から消えていく~~~!!」 兄の裸体の記憶を塗り替えられまいと往生際悪くもがく悪人どもに、言い放った。 「エドたんの穴という穴、突起という突起はすべて僕のものだ!貴様らにそれを記憶する資格はない!!くらえッ!必殺・・・・おっぴろげジャ~~~ンプ!!」※おっぴろげジャンプが分からない方は、『いろいろ』の5月28日のトピックに元ネタの画像があります^^; 「ギャァァァァァァァァァ!!!!!」 ニュー必殺技を繰り出せば、周囲は阿鼻叫喚の渦と化し、僕の目論見はめでたく成就した。 真夜中のダイニングのテーブルで、約束通りコンビニに寄って山ほど買ったアイスを前にほくほくと嬉しそうな顔をする兄を眺めながら、ここ数時間の出来事を振り返る。 結局兄をこの道に引きずりこんでしまう結果になったが、今日の兄の実力を目の当たりにして、心配は大分払拭された。それに万が一兄に危機が迫ることがあったとしても、僕が全力で守ればいいのだ。 「でも兄さん・・・・今度からは出動前に、僕がエドたんスーツの着用チェックするからね?」 頬杖をついていた僕の口元に、アイスをすくったスプーンを差し出しながら、兄はペロリと舌を出して笑った。 ちょ・・・・・か・・・・・・・っ可愛い・・・・・っ!!・・・ウッ!?まずいっ!これはトイレで抜いてこないと危険なレベルだ! アイスのおすそ分けをパクリと食べた僕は、さりげなく席を立った・・・・・・が、そこで最終兵器キューティエドたんから、あまりにも突然の必殺技を喰らってしまう。 「なぁ、アル。頼むから、俺の嫁さんになってくれよ・・・・!」 「ににににににににににににいさんッッッッ!?」 前かがみの状態で目を瞬かせた僕の鼻先に、兄の唇がむちゅっと吸いついた。そして・・・・・いつまでたってもとれない。 「あ・・・・・あのー・・・・・兄さん?そんなトコ、チュッチュク、チュッチュク吸われたら・・・・」 遠慮がちな僕の言葉に、ぷちゅんと唇をはなした兄だったが、その目は恍惚として僕の鼻の頭を眺めていた。 「・・・・アルの鼻の頭に・・・・キ・・・・キスマークつけちった・・・・へへへ・・・・これで正義のヒーロー赤い薔薇の騎士は俺のもんだぁ・・・!」 ・・・・・キスマークは大歓迎だけど、その場所は・・・・どうなんだろう。今出動要請が来たら、赤い鼻の騎士としてリニューアルデビューする事になってしまう。 まるで赤鼻のトナカイになっているだろう僕の首にぶら下がった兄は、つま先立ちでウンウン僕を引っ張りながら移動を始めた。 「に・・・・兄さん・・・・?」 「いいだろ?」 ――――いいだろって・・・・何がデスカ・・・・? 「アルだって、俺がダーリンになったら嬉しいだろ?嬉しいよな?だから今から俺たちは夫婦ンなろうぜ!夫婦になったら子作りに励むんだぜ!そんな訳だから、これから早速俺のパワフルな肉棒を、アルのエッチなお臍の穴に突っ込むぞ!!」 ・・・・・・・・・は?今、なんとおっしゃいましたエドワードさん???? 突っ込みどころ満載過ぎて、どこから訂正したらいいのか分からない。 というか、突っ込み・・・・突っ込むって・・・・・え?え?えええええ―――――!?ダレのナニをドコに突っ込むって!? 「ににににににににいさ・・・・あの・・・・念の為言うけど、僕のお臍にエッチな穴なんてないよ?入らないよ?」 冷や汗タラタラで言えば、兄は不敵に笑った。 「アルは何にも知らねぇんだなぁ・・・・!フハハハッ可愛いぞ!初めてだから、ちょっと大変かも知れないけど、大丈夫だ!全部オレに任せとけ!まぁ、俺も初めてだけどな!」 さながら、働きアリにヨイショヨイショと運ばれる蛾の死骸のようになっていた僕は、幼い日のことを思い出した。 まだ学校で性教育も受けていない兄が、生命誕生のプロセスとメカニズムについて父に質問した事があった。 兄を純粋培養することに生きがいさえ感じていたんじゃないかという父は、苦し紛れにこう言った。 『エド・・・・赤ちゃんというのはね、お臍の穴の中で育って、お臍の穴から出てくるんだよ』 どうやら父は、兄に向って人体のそれより下の部分について言及することが出来なかったらしい。 素直な兄はその誤った認識を持ったまますくすくと育ち・・・・・・そして今、その薄桃色のフルーツのようなおちんちんを、ありもしない僕の『エッチなお臍の穴』に突っ込む気満々だ。 ・・・・・・・・・・その後、何度も挑戦しては挫折する涙目の兄を、ひっくり返して圧し掛かって舐めてしゃぶってこじ開けてジュッパンジュッパン激しく出し入れして『らめぇ~もうイっちゃうのぉ~!そんなにしたらエドたんのお腹破けちゃうの~~!あ・・・ッらめぇらめぇ!エドたんのケツまんこにアルたんのおちんぽミルクびゅくびゅく出しちゃらめぇぇぇぇ~~~ッ!あふ~ん!』と啼き叫ぶ兄の中に、思い切りドキューンとぶちまけたい衝動と闘い続けた僕は、またひとつ新たな世界を見た。 我慢プレイも、なかなか奥深くてオツな味があるものだな・・・と。 とりあえず、僕と兄の正しい性生活の為、地道に小学生でも分かる性教育から兄に教えて行こうと思う。 |
********************************************************* ここまで読んで下さった心の広いアルエドラー様。どうもありがとうございました。 でも半分はしおみんさんの所為です。こんな素敵な絵を描いてくれちゃうから・・・・・ヘンな方向に元気になってしまいました^^; しおみんさん、どうもありがとうwwwwwこれからも変態道を突っ走ろうぜ~(≧▽≦)イエーw |
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