中庭を中心とする家2

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設計説明

 緩勾配の片流れ屋根を載せた平屋の建物は、ひっそりと存在感を 醸し出しています。目新しい材料を散りばめたり、とりわけ大き な建物という訳ではなく、逆に斬新というコトバに背を向けた、 むしろ創意工夫が備わった、「家族」が安穏に暮らせる、「建物が 威張らない」そんな住宅に仕上がりました。 (平面図はこちら)

 『大きめな中庭と建物の繋がりを大切に』とのクライアントの要望も 踏まえ、中庭にはどの部屋からも行き来できる開口をしつらえました。 「門扉をあけ中庭をくぐり抜けて玄関にたどり着く」という一連の アプローチなのですが、その中庭に面した開口のどれかが建物への 入口にも変身する「縁側から入る気楽な感じ」がこの中庭の大きな 役目でもあるのです。いずれ子供達がどれかの入口から「ただいま」 なんて入ることを期待します。

 室内でいうと、家具好き小物好きのクライアントなので、台所の 家具をはじめ、TVテーブルや本棚、机などの家具はすべて造り付けの 木製家具としました。色々な場所にしつらえた、木(もく)という素材が 時間が経つほどに魅力を出してくれるだろうと思います。また、大きな 中庭から射込む夏の容赦ない太陽光線は出来るだけ遮り、冬の陽射しは 低い庇をくぐり抜けて、室内の奥まで深々と射し込んでくるよう計画しました。

 WOODデッキの低く張り出した軒下空間からみえる樹木は大きく育ち、 どの部屋からも眺められる、小さな雑木林のようになるにちがいありません。

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