<<僕が美術館に通い始めた理由>>
僕は社会人になった途端に、関西のある地方都市に赴任させられました。地方都市での楽しみといったら、映画ぐらいしかありません。当時は3/1、6/1、9/1、12/1の年4回は、「映画の日」で料金が半額になりました。しかも当時はロードショー2本だてがその地方の常識でしたから、映画の日だけは「東京の1/4の値段」で映画を楽しめた訳です。当然、映画館のはしごをしますから、最後の方はお尻が痛くて痛くて堪らないといった状況になり、年4回の映画三昧も飽きてきました。
その頃、詳しい経緯は忘れましたが絵画展のチケットを貰えたので、気分転換を兼ねて行ってみました。絵画自体は、文部省ご推薦マークが付きそうな親しみやすい作品ばかりで、大きな感動はなかったのですが、この会場(美術館ではなく、市民文化ホール)は広くて人がほとんどおらず、ゆっくりと鑑賞することができました。このとき、なにか「ホッ」とするものを感じました。
今思えば、美術館独特のゆったりとした時間の流れを感じていたのかも知れません。このあと、近くの美術館や展示会にいくようになりましたが、なにかすっきりしないものが残りました。 確かに「上手い絵だ」でも「おもしろくない」→「なぜ」と思いつつも数年が過ぎました。
この数年間に、いくつかのお気に入り絵画が出来ました。共通項は、
1)色彩が美しい
(僕が化学を専攻したのは、化学は色の変化があって楽しいからです。)
2)pictureよりもpainting。つまり、印象派よりも抽象絵画。
(写実的な絵画ならば写真のほうが精確。)
といったものです。
僕自身は、美術については何ら専門教育を受けたことはありません。ずぶの素人です。スケッチなどの絵を描くことは苦手ですし、下手です。美術史に詳しいわけでもありません。でも美術館で自分が気にいった絵画をゆっくりと見るのは好きです。約1000円で、最高のコンディションで、特定テーマについて整理された形で見れる! 美術館へ行く経験を重ねるごとに、少しづつ歴史的背景も理解できて、更に楽しくなってきました。理屈ではなく直感でいいなと思える絵との出会いを大切にしていきたいと思います。