Mojave Desert (モハベ砂漠)
Mojave Desert scene in Mojave National Preserve
Desert Iguana in Joshua Tree NP
アメリカ合衆国中西部に広がるモハベ砂漠(Mojave Desert)。その領域は、カリフォルニア州南部、ユタ州南西部、ネバダ州南部、アリゾナ州北西部をカバーする。北米の四大砂漠のひとつであり、広さは約57,000km2である。砂漠という言葉からは一般には砂地が広がっている砂丘を連想しがちであるが、実際はそのイメージとはかなり異なっている。モハベ砂漠は山岳地帯や岩原、塩湖や川を含んでおり、バラエティーに富んでいる。自然環境が過酷であることは事実であるが、そこには意外に多くの生物が生息しており、植物も豊富である。
この砂漠の南東に位置するソノラ砂漠(Sonoran Desert)が” Low Desert”と呼ばれるのに対し、モハベ砂漠は” High Desert”と呼ばれる。標高が概ね1,000m-2,000mと高めである。最高地点は、Charleston Peak(3,633m)である。モハベ砂漠はシエラ・ネバダ山脈の雨蔭(rain shadow)に位置する。温かく湿った空気が太平洋から流れ込み山脈により後戻りする。いくらかの雨は山脈を越えるが多くの雨は地面に到達する前に蒸発してしまう。このためモハベ砂漠は乾燥した砂漠であるとされる。年間降水量は2〜3インチであり、降水量の多くは10月から3月にもたらされる。モハベ砂漠に含まれる有名な場所としては、Joshua Tree National Park, Mojave National Preserve, Death Valley National Parkなどがある。モハベ砂漠とその北東にあるグレート・ベースン砂漠との分岐点には、Zion National Park がある。モハベ砂漠は四季がはっきりしていることに加え、場所による標高差、季節による気温の差が顕著である。夏場は50℃を越える。なかでもデスバレーは地理、気候ともかなり特殊な場所であり、北米で最も標高の低い場所(海抜マイナス86m)を含み、かつ世界一暑い場所としてギネスブックにも取り上げられている。ちなみにデスバレーの最高気温記録は56.7℃であるが、これは世界最高記録ではない。これを越える気温は一度リビアにて記録されている。デスバレーがギネスブックに掲載されたのは夏季の平均気温が最も高いという点においてであり、かつて43日間連続して華氏120度(摂氏約50℃)を越えた場所として紹介されている。モハベ砂漠は、冬には標高の高い地点では華氏0度(−18℃)まで下がる。気温の高いデスバレーでも−9℃の記録がある。
モハベ砂漠の領域(境界)はヨシュア・ツリー(Joshua Tree)の分布により定義され、ヨシュア・ツリーはこの砂漠の指標種(Index Species)とされる。一見サボテンのように見えるが、リュウゼツラン科(古くはユリ科に分類)の植物である。特に分布密度が高いのは、Joshua Tree National ParkやMojave National Preserveである。比較的標高の高い地域(400-1800m)に分布し、デスバレーの山間部やZion National Parkの近くでも見かける。成長は遅く1年で10cm程度しか伸びない。年輪がないので樹齢を知るのは難しいが、数百年から千年生きるとされる。高さは15mに達する。成長した個体は独特の雰囲気を持っている。この植物が群生している光景は圧巻である。ヨシュア・ツリーの他にも1,750〜2,000種の植物が生息するとされている。
トップページへ戻る