砂漠の歩き方




White Rim Road, Canyonlands National Park, Utah



Sand Dunes, Death Valley NP, California



 登山と同様に、砂漠のトレッキングには細心の注意をはらわなくてはならなりません。準備不足や状況判断の誤りは、命にかかわる事態を容易に引き起こします。以下、主な注意点を示します。

道路
 砂漠地帯は広大なので車が必需品となります。主要な国立公園、州立公園、その他の自然保護区は道路が整備されているので一部を除いてアクセスはそれほど難しくありません。道路に沿って車で移動していれば通常は問題ありません。ただし、幹線道路をはずれて未舗装の4WD専用道路に入る場合は注意を要します。ここで車がスタックして動けなくなると命にかかわる事態になりうるので、訪れる場合は十分な準備が必要です。すなわち冷却システムなど車のコンディションのチェック、十分なガソリン、非常時の食料と飲料水、スペアタイヤなどです。スペアタイヤは必ず必要で、ガイドブックによっては2本用意することを推奨している場合もあります。万一スタックしても車を離れて動き回るのは得策ではなく、そこにとどまって誰かに発見されるのを待つのが得策とされています。車は高温から身を守る日陰と休息場所を提供します。車を離れて自分の足で行動を開始するのは、発見される見込みがないと判断したときです。幸い私自身は車のトラブルの経験はありませんが、他の車が何らかのトラブルで立ち往生したり、乗り捨てられている車を何度か見たことがあります。

気候
 湿度が極端に低いので汗をかいていないように感じるかもしれませんがそれは錯覚です。特にトレッキングをしている場合は人間の体は急速に水分を消費します。たとえば、あるガイドブックによると、1日1人あたり最低1ガロンの水を携帯することが推奨されています。そして、のどの渇きを感じなくても頻繁に水分を補給することが望ましいとされています。特に夏場においては細心の注意を払って行動しなくてはならなりません。日差しが強いので帽子とサングラスは必需品です。


ワイルドライフ
 砂漠の環境は苛酷ですがそこには意外に多くの生命が生息しています。コヨーテやリスなどの哺乳類、カラスやミソサザイなどの鳥類、ヘビやトカゲなど爬虫類、サソリ、クモ、昆虫類などが観察できます。日中は休んでいることが多いですが日没前後になると活動を始めるようです。注意が必要なのはガラガラヘビとサソリです。ガイドブックによると石の下など視界からはずれる場所には手を入れないようにとの注意があります。私自身は危険を感じるほどの経験は1度だけあります。Anza Borrego Desert State Parkでのことです。午前中、陽が高くなってからでしたが、ロケハンのためにカメラは持たず、車を離れて手ぶらで山の中腹をスタスタ歩いていたときです。突然、目の前に自分の腕より太いと思われるガラガラヘビが鎌首をあげ、空気が抜けるような奇妙な音を発して威嚇してきました。まったく警戒していなかったのでびっくりしてあとも見ないで逃げてきました。今考えると、写真を撮るために引き返せばよかったと思います。

写真撮影
  特に砂漠の撮影方法があるわけではありません。ネイチャーフォトの例に漏れず、写真撮影は太陽が低い時間帯が中心になります。写真撮影においては必然的に歩き回ることが多いのである程度の体力が要求されます。機材1式を車に積み込んで移動している間はいいのですが、撮影になると必要な機材をザックに入れて歩き回ることになります。その点は山岳写真と同様です。大型カメラによる撮影の場合は三脚も含めると機材一式で20`くらいになります。砂丘での撮影は特に大変で、荷物をかついで砂の上を歩き回るのはかなりの運動量です。また、日差しが強いのでサングラスと帽子は必需品です。

まとめ
 砂漠の太陽には敬意を表して以下の注意を守ってください。
・水分を十分に取る。特に夏場は1日2ガロンが必要と言われている。
・日焼けには注意する。皮膚がんの恐れあり。サングラスを着用し、帽子をかぶること。
・子供やペットを車に放置しないこと。直射日光は車の温度を10分で危険な温度まで上昇させる。
・短距離のハイキングでも水を忘れないこと。
・野生動物にはえさを与えないこと。
・サボテンのとげに注意すること。特にウチワサボテンの刺は肉に食い込んでなかなか取れないので要注意。
・夏場においては、高温になる11時から3時の間は砂漠での行動は控えるのが得策。この時間は野生動物も休んでいる。
・道に迷ったら不用意に動き回らないこと。誰かに発見されやすいように車にとどまる方が得策である。

(2010.08.22)


トップページへ戻る