Difficult Species (難物サボテン)


難物サボテン(スクレロカクタス、エキノマスタス、他)

 サボテンの中には難物(Difficult Species) と呼ばれるグループがあります。特定の属を示すのではなく、栽培が難しいサボテンを意味し、スクレロカクタス(Sclerocactus)、ペディオカクタス(Pediocactus)、エキノマスタス(Echinomastus)などを示すことが多いようです。ユタ州、コロラド州など北米の砂漠地帯に分布し、砂漠のイメージとは異なる森林地帯に生息するものもあります。そのことから、ペディオカクタスの一部はMountain Cactus などと呼ばれます。高山植物のようなイメージのサボテンです。厳しい環境に順応しているのですが人手による自根栽培は難しく、接ぎ木で維持されることが多いようです。 砂漠を撮影フィールドにしていると時々これらのサボテンにも遭遇します。サイズは小型のものが多いので比較的地味な存在ですが厳しい環境に生息している姿は興味深いものがあります。その一部を紹介します。



(1)Sclerocactus whipplei var. roseus
 Sclerocactus parviflorus としているソースもあり。コロラド川のほとり。砂漠のイメージとは少々異なる環境で土壌は砂というよりは泥に近いイメージである。(White Rim Road, Canyonlands National Park, Utah)








(2) Sclerocactus polyancistrus
 和名は白虹山。デスバレーの周辺の山岳地帯、山頂付近の吹きさらしのような場所に生息している。このときは1時間くらい歩きまわって数個見かけたが残念ながら開花中の株には遭遇しなかった。比較的大型の種類である。(Aquerberry Point, Death valley, CA)









(3) Escobaria vivipara var. alversonii
 CNPS(California Native Plant Society)では絶滅危惧種にリストアップされている。Foxtail Cactusのニックネームがある。写真の株は25cmくらいのサイズ。これくらい大きくなるとフォックステールの雰囲気が出ている。岩場を好んで生えるようである ((Joshua Tree National Park, CA)








(4) Escobaria vivipara var. deserti
 ネバダ州、ルート95沿い。砂漠の真ん中であるが地面の雰囲気は川原のような場所である。石が多いが土は粒子が細かく靴が真っ白になるくらいほこりっぽい。 (Route 95, Navada)








(5) Echinomastus johnsonii
 和名は英冠。見晴らしの良い峠の上、石や岩が多い斜面に生えている。付近には鯱頭や大竜冠も共存している。Johnson's Pineapple Cactus の別名がある。形・サイズがパイナップルに似ている。(Old Spanish Trail, near the border of California and Nevada)







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