それでもオリンパス


微妙な話題ではありますがオリンパスについて。今世間を騒がしている問題の正確なところは調査の結果を待たないとわかりませんが、オリンパスユーザとしては残念なことです。その問題はさておき、ここでは純粋にオリンパスの製品についてコメントします。オリンパスの技術が優れていることは30年以上使い続けてきたのでよくわかっています。カメラに関してはオリンパスのシェアはけっして高いものではありませんが個人的には気に入っています。ニコン、キヤノンに比べると地味な印象は否めませんが独自のアイデンティティが感じられるからです。

プロ写真家の多くはニコン、キヤノンのカメラを使用するケースが圧倒的に多いようです。特に報道系カメラマンや撮影現場でクライアントやモデルにアピールする必要がある場合は道具の印象も重要な要因のようです。キヤノンやニコンの高級機はそれらしい雰囲気を放っています。大型の白レンズを装着した姿は迫力があります。
一方、オリンパスのカメラは地味でプロっぽくありません。サイズもデザインも控えめ(?)です。

しかし、カメラとしてのコンセプトはかなり明確なように思えます。自然科学を対象にしている写真家には愛用者が多いようです。私が所属している日本自然科学写真協会でもかなりの人が使っています。そういえばOMシリーズのキャッチコピーは「宇宙からバクテリアまで」でした。
現在、内視鏡の世界シェアでは70%を占めているとのことです。オリンパスのターゲットは自然科学系であり、カメラにおいてもその流れに沿っています。コンパクトで軽量な割には耐久性もありフィールドで使用するのに適しています。私は中判カメラや大判カメラも使用しますが、性能と機動性のトレードオフを考えると、個人的には一番利用価値が高いと感じるのは35ミリでしたし、今はデジタル一眼(フルサイズではなくエントリー機で十分)です。中でも一番フィーリングが合っているのがオリンパスのカメラです。



私のオリンパス。上から時計回りに、OM-4Ti, OM-1, OM-3, E620



OM-3
機械シャッター式マニュアル露出カメラ。
電池がなくても撮影可能。
デジタルカメラは電池がなくなればお手上げ だが、そのことを考えると貴重な存在だ。



OM-4
私が所有しているカメラの中で一番使用頻度
が高い。(デジタルへ移行しつつありますが)。



E-620
OMシリーズの流れを感じさせるデジタルカメラ。
イメージセンサーはフォーサーズだがデジタル一眼としての要件を満たしている。



今後の展開はかなり微妙ですが、技術的には十分な実力と実績があるのですから体制を
立て直してほしいものです。  (2011年11月14日)


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