これからはデジタルカメラか(2)


3年前に同じタイトルでコメントを書きましたが、それから状況はかなり変わりました。今や流れは完全にデジタルが主流になり、デジタル対フイルム、という議論の時期はもう過ぎたように感じられます。かつてのデジタルカメラは色調に問題がありましたが今は問題ないレベルに達しました。フイルムには独特の味があるという意見があります。しかし、ネガ、モノクロに関してはあるかもしれませんがかなり感覚的な領域の話のように思えます。画質に関しては解像度、ダイナミックレンジ(またはラチチュード)などの数字で見る限りにおいては今やデジタルの方が優れているといってよいでしょう(ダイナミックレンジが広いほうがシャープな写真がとれるかというとそうとも限らないのですが別の議論になるのでここでは省略します)。


 フイルムの需要は毎年下降の一途をたどっていますから、廃止したくても廃止できない赤字路線のような位置づけにあり、フイルムメーカーはかなり負担になっていると思います。廃止すればその地域に住んでいる少数派の人が困るので採算だけを考えて廃止するわけにはいきません。ちなみに私自身は現在両方使っていて、フイルムカメラにはいまだに一種の思い入れがありますからフイルムメーカーには頑張ってほしいです。少し前にコダクロームが生産中止になったとき、コダクロームの使命は終わったのだと感じましたが、フイルム全体に関してもその使命は終わりつつあるといっても過言ではないと思います。デジタルの決定的な問題があるとしたらなんでしょうか。フイルムでなくてはならない理由を考えてみてもちょっと思いつきません。

 一方では、理屈を抜きにしてフイルムカメラの魅力的な面を考えるといくつかあります。まず、昔のフイルムカメラは個性的であり、顔つきもそのブランド独特の味がありました。今のデジタルカメラはどれも同じような顔つきをしていて没個性のように感じられます。デジタルカメラにはモノとしての魅力が感じられなくなったと思うのは私だけではないでしょう。パソコンや携帯電話などと同じようなイメージです。もっとも今やデジタルカメラは最先端のエレクトロニクス技術が凝縮された電子機器に間違いないのですが。
 ちなみに私が最初に手に入れた一眼レフはオリンパスのOM-1でした。学生の時に丸井のクレジットで買ったものですが確か\39,500 だったと思います。山に持っていくつもりでしたので、当時最軽量の一眼レフというのが購入の動機でした(その後Pentax MX が登場して最軽量ではなくなりましたが)。少し前にフイルムを入れて撮影してみましたが今でもちゃんと使えます。このカメラには愛着があるので、実際に使うことはなくなっても処分する気にはなれません。今後も防湿庫の片隅に居場所を確保し続けるでしょう。



昔を偲びつつ。。



実はOM-1 を購入した時と同じ動機でオリンパスのE-620 を購入して使っています。しかし、昔のカメラに感じるような所有欲を満たす存在感が希薄になった気がします。そうはいってもデジタルカメラとしての性能には満足しています。E-620はデジタル一眼としてはエントリー機の位置づけですが特に不満はありません。私はまだ持っていませんが、フルサイズの最高級機などは一般のアマチュアユーザにとってはオーバースペックといってよいと思います。コンピュータの世界でボトルネックという言葉があります。カメラの世界に当てはめてみると、今やボトルネックは撮影者の技量ではないかと思えるほどです。話が発散しそうなのでその話は別の機会にすることにします。

2010年9月25日


昔を偲びつつ。。


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