■「比重が低いっていわれたんですが」

比重が低いとは | ヘモグロビンとは | 鉄分不足 | 食事の注意    
1、どういうことかというと

まず赤血球の仕事は酸素を運ぶトラックのようなものです。 (二酸化炭素・栄養物・不要物などがただ血漿に溶けて運ばれることに比べると、酸素は別格扱いです。) そして酸素赤血球の中のヘモグロビンとくっついて運ばれます。 ですからヘモグロビンは赤血球という酸素運搬トラックの荷台のようなものですね。 ヘモグロビンが少なくて、酸素を十分に運べない状態を貧血といいます。

ですが、献血の際に、上記のように言われるときは心配のいらないことが多いです。 献血では、他の方にあげても自分の分はしっかり足りる方、つまり余っている分のある方から献血して頂く ので、標準値より献血可能なヘモグロビンの値は高い基準です。 ですから献血できなくても心配する必要はありません。 心配頂く程低い値である場合は、医療機関での検査をすすめています。

2、ヘモグロビンについてもっと詳しく

ヘモグロビンはヘム鉄という鉄分と蛋白からできています。 鉄分という材料が足りないと、当然小さい赤血球(小型トラック)しかできません。 それが鉄欠乏性貧血とよばれるものです。 鉄が足りないと赤血球の数はあってもヘモグロビンが少ないという状態になりますが、 さらに極度にたりないと、赤血球自体減少します。

(貧血にもいろいろ種類があるのですが、鉄欠乏性貧血に話をしぼります。)
鉄が足りなくなる原因として、食事から摂る方が少ない場合と、 失うことが多い場合とあります。 失う方が多い場合とは、痔や、胃潰瘍などで少量ずつ出血していることや、 女性の場合、子宮筋腫などで月経血が増えている状態などが考えられます。 まずそういう症状がないか確認してくださいね。

3、どうして鉄分がたりなくなるの?

鉄分が足りない原因が食事からとる量が少ない場合についてですが、 鉄分は食事からしかとれない上に、(体内でつくれません)、 一日に必要な量と、一日に食事から摂れる量が近接しています。 だいたい男性で2mgらしいですが、食事でとれる量もその程度ということです。 一日に必要な量と食事でとれる量が離れていれば、今日はいっぱいお肉で鉄分とったから、 明日の分も充分いけたな・・・となりますが、その2つの量が近いために、 毎日気をつけなくてはならないという難しい栄養素になります。

体内の鉄分のだいたい半分が血液の中にありますが、肝臓に貯蓄されている分や、 いろいろな他の細胞に含まれている分があります。 鉄分が不足すると、消化器粘膜の萎縮や爪の変形、口角炎などいろいろな障害がでます のでそちらにもご注意ください。

女性の場合一回の月経でだいたい30mlの血液が失われるそうです。 一日量にすると、だいたいですが鉄分0.5mg程度。 一日に失う鉄分量は男性とあまり変わりませんので、女性は一日に2.5mgの鉄分が必要になります。 食事では一日に2mg前後しかとれないらしいので、どうしても鉄分が不足しがちになります。

4、どうすれば ヘモグロビンの値があがるの?

食物に含まれる鉄分は、ヘム鉄(仔牛の肉とかに含まれている)と非ヘム鉄(ほうれん草など)とあって、 腸に吸収される量に著しい差があります。 非ヘム鉄が吸収されるには、ビタミンCが必要です。(鉄が2価のイオンに還元されるのに必要なそうな) また非ヘム鉄は お茶やコーヒーに含まれるタンニンにキレートされて腸管に吸収されませんので (要はお茶とか飲むと、鉄がくっついて、でかくなって腸管の粘膜の中に入れない) その点からも注意が必要です。

結局、「毎日頑張って 肉等食べてね。バランスよくね。 野菜なんかからとる時は、ビタミンCも一緒にね、 その場合食事後のお茶やコーヒーは控えめに」って感じです。

それで改善しなければ、病気がどっかにないか探してから鉄剤ではないでしょうか。 医療機関での検査をおすすめします。

ただ検査の値はあくまで標準値です。 「身長は日本人の場合90パーセントはこの中にはいります。」という標準とかわりありません。 病気などで身長が低い、あるいは高いという場合もありますが、 遺伝で、もともと高くて標準からはずれるという場合があります。 標準値からはずれたからといって即病気ではありません。 元々低い あるいは高いって方がいらっしゃいますので。

5、気をつけたら次はどのくらいすれば献血できるかな?

赤血球は身体の中で120日くらい生きています。 一日で生まれ変わる赤血球は1/120ということですので、 6日間鉄分に気をつけたとして、 6/120=1/20  19/20は前の小さな赤血球です。(他の要因とか考えずに単純にいうと) 検査の結果がどのくらい基準値に足りなかったかによりますが 一週間では検査結果に大きな変動は少ないでしょうね。

さらにヘモグロビン検査の際に血液を頂きます。 女性の月経時の失われる血液の量は大体一ヶ月に一回30mlってことですが、 献血の際検査に頂く分がだいたい15ml、 (ちなみにヤクルト一本65mlです。量のイメージわきますでしょうか?) つまり少量のようでも検査の分は貧血の方には負担になりますので、何度も検査に来てしまうと、 食事に気をつけててもヘモグロビンの値があがって来ないのでご注意くださいね。

ご自分の健康に気を付けて、その健康を分けてあげられる時は、ぜひ献血にご協力ください。

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