充電器の作成


非常に多く専門用語が出てきますので、ページの最後に注*で記載します。(*は数字がはいります)

ダイビング用のLED注1ライト。使用電池は単U形電池。

アルカリ電池を使用すると、消費電力の少ないLEDを使用していても、ランニングコストがかかってしまいます。

また、環境に悪い。そこでこういうときは充電池!。

そこでいつものところで、入した単U形Ni-MH(ニッケル水素)注2充電池容量は4000mAh(5h率)注3

現在の販売されている電池では最大容量。メーカーは世界的に有名な中国GP社。

 

でこの電池を充電するには、市販されている充電器を購入しなければ・・・。でも単U形充電池が充電できる充電器は、トリクル充電注4なので、充電時間が長い!。で、使用状態によっては、トリクル充電注4では、満充電できないと言うことで、使える充電器を作成でーす。

いつもの通信販売のHPからオンラインで、注文です。注文が早ければ、次の日には手元に来ちゃいますぅ。

今回作成するのは、単三型充電器で、超高性能な、-ΔV(マイナスデルターブイ)注5制御が可能なIC MAX713注6を使用したキットを購入し、単U形充電池が快適に充電できるように改造するものです。

 

中学生から使用している60Wの半田こて。久しぶりに本格的に使います。

本とは30W程度がベストですが、結局的には、この方が半田つけする場合、部品に与える熱が少なくていいし、効率がいいんです。

 

これが今回使用する部品です。一部使いやすいように交換をしていきます。

 

いよいよ半田付けです。部品を指定場所に差込みます。

部品には、数値があり、回路図を見ながら確認します。

(画像は抵抗器。4本のカラーバーにて抵抗値が表現されています。)

 

裏返して、半田付け。

 

残ったリード線をカットします。これの繰り返しが続きます。

 

主な部品の取り付けが完了しました。改造による不要部品等があり、少しさっぱりしました。

 

今回使用したチップ部品。同じ性能ですが、これだけ大きさが違います。ちなみに値段も違います。

 

使用場所は、表面の印刷文字”Rs”。チップ部品なので、裏面に取り付けます。こんな感じ。

 

部品を取り付けたら、ケースに合わせてリード線を取り付けます。

LED表示を高級感ある金属ケース入りタイプに変更。

 

心臓部のIC注7は、静電気に弱いため、最後に取り付けます。

保存時は、導電性の黒いスポンジに常に差しておきます。

 

続いてケースの加工。

今回から秘密兵器が登場!!。名は”バリとり” ホームセンターでは、売っていそうで、売っていない一品です。

使い方はと言うと、金属ケースに加工したあとの金属の切断面をきれいにするんです。

 

たとえば、丸い穴を開けたときに金属のはしくれがでるので、きれいにカットです。

画像は放熱用のファンの取り付け穴です。φ16mm。

 

とりあえず、穴は一通り開け終わりました。こんな感じになります。

 

ケースに基盤、部品をねじで固定。各部品にリード線を接続していきます。

ICの取り付けはまだです。一番最後。

 

やっと出番がやってまいりました。取り付け方向があるので、注意して取付です。

 

説明書とおりの設定確認を行い、充電池を電池ケースに入れます。

右側の急速充電ランプが点灯。ケース内の右側の黒い放熱板が触れないくらい熱くなっていきます。

正常に動作していそうです。ケースの蓋をしっかり閉めて、

でこのまま、充電しっぱなしにしておいて、-△Vの動作と、タイマーの動作確認をします。

左側のランプは電源ランプです。

 

 

しばらく・・・・。急速充電ランプが消灯。すべて正常に動作してます!!。

分かりやすいようにテプラで、文字を貼り付けます。だいぶ様になりましたぁ。

 

 

動作も十分と言うことで、最終に、耐久性の確認をしていたところ、問題な箇所発見です。

右のトランジスタ注8 の電流容量が2Aしかなく、今回の充電電流の設定は1.7Aということで、全く余裕がなし。急いで、もう少し容量の大きいトランジスタ(左)に交換しました。容量は4A。んー十分。

 

今回重宝した、学生時代に購入した規格表。これで、トランジスタの電流の容量などを確認します。

 

なんだかんだで、第一号が完成です。こちらは、サンプルとして、においてあります。

今後は、高信頼化と、放電器も組み合わせる計画ですぅ。

 

 

 

 

注1 LED(ライトエミッティングダイオード): 電気エネルギーを直接光に変換できる半導体素子。

      参考:電球:電気エネルギーでフィラメントを発熱させ、熱エネルギーで出た光を用いるもの。

注2 NI-MH(ニッケル水素): (ニッケル-メタル-ハイドライド) ニッカド充電池よりメモリー効果の少ないのと、容量が大きいのが特徴。

注3 4000mAh(5h率): 表示されている容量は4000mA(4A)ですが、5時間かけて、800mAの負荷につないだとき4000mAの実力が出せると言うことです。

    もし、もっと負荷をかけて4000mAを流した場合、計算上1時間使えるのですが、実際には1時間を待たずに放電してしまう。

 

注4 トリクル充電: 充電池容量の5%〜10%程度の少ない電流で充電すること。充電回路が非常に簡単となるが、空状態から満充電までは15時間以上かかる場合がある。

 

注5 -ΔV(マイナスデルターブイ): 下記の画像の円内のように充電量が100%超えたところで、電圧が少し下がる特性を利用する。

 

注6 MAX713: -△Vの機能、タイマー、温度制御などの機能をワンチップに搭載した高性能IC。主に単三型充電器に用いられる。

注7 IC: トランジスタ、コンデンサ注9などの回路を無数に集積させて、ある一定の機能を持たせた回路。

注8 トランジスタ: 小さな電流で大きな電流を制御できる半導体。

注9 コンデンサ: 電気エネルギーをためておける素子・部品。