Fly Me To The Moom

ホテルの最上階にあるJAZZの流れるバーだった。一瞬途切れた会話に彼女の言葉はインサートされた。
「私を月に連れてって」
その言葉はフルバンドの音にも埋もれない1stトランペットのハイノートように視覚的に捉える事が出来た。突然に目の前に現れたのだ。
「えっ、今何て言ったの?」
「言いかえれば、私の手を握っていてって事なの、キスして欲しいって事なの」

そんな妄想をしてしまった・・・。
おそらく、実際こんな事を言われたら、思わず・・・・・「熱でもあるの?」って聞いてしまうだろう。あるいは不気味に笑うとか・・・。
大人の曲だなぁ〜。

1960年代に大ヒットした曲。1954年に作られた時には「In Other Words」(言いかえれば)という題名が付いていのだが、ちょうどこの時誰もが注目していたアポロ計画に合わせて「Fly Me To The Moon」と題名を変えて発売されたそうだ。誰もが月に憧れを抱いていたという事と、ちょうどこの頃はやりだしたボサノバを取り入れた事が大ヒットを生む原因になったのだろう。最近では「新世紀エヴァンゲリオン」で使われてたし宇多田ヒカルも歌っている。
さっき私は「大人の歌だなぁ」と言ったが、歌詞を何度も読んでいるうちに子供が駄々をこねているように感じてしまった。「私も月に行きたいの〜、ねぇ、連れてってよぉ〜、連れてってくれないとヤダー!」そんな感じだろうか。「本当は寂しいだけなのに。かまってもらいたいだけなのに。」
恋人同士の関係にもそういった事がある。たいていの場合、女性が男性に対して無理な事をねだる(当然本気でそれを望んでいるわけではなく)、付き合い始めたばかりの恋人同士だとそんな事でも幸せなんだろうが、何度も言われると・・・・・・・あぁ〜なんか話しが暗くなっている・・・。
間違ってもこの歌ではそんなにしつこくねだっているわけではない。やはり大人の歌だ。付き合い始めた恋人同士には重過ぎるのかもしれない。日本語に訳すから重く感じてしまうのだろうか。
そんな事はさておき、この曲はボサで演奏される事が多くメロディーはとてもシンプルでハッピーでどこか切ない。夜露で表面がしっとりと濡れたフルーツのようだ。(う〜ん、分かりづらい)
とにかく良い歌ですよ

Fly me to the moon
Let me play among those stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and Mars
In other words, hold my hand
In other words, darling kiss me

Fill my heart with song
Let me sing forever more
You are all I long for
All I worship and adore
In other words, please be true
In other words, I love you

月まで飛んでいかせて
星と星の間で遊ばせて
木星や火星の春が
どんなものか見させて
つまり、私を抱いて
つまり、私にキスして

歌で私の心をいっぱいにして
ずっと永遠に歌わせて
私が熱望し、慕い、
熱愛するのは、あなただけ
つまり、私に忠実になって
つまり、私は愛しているの