ヒスイ彫刻工房あしたぼ・・・・・翡翠原石一つ一つに気持ちをこめて切磋琢磨.





ヒスイ(翡翠・jade)とは?
翡翠と言う名前の由来は、背中が青緑色で腹部が赤色をした美しい鳥「かわせみ」に由来します、翡は緋色の羽、翠は緑色を表しています。
ヒスイの主要産地であるミャンマーの翡翠の一部は長い間、赤い地中に埋もれていたため、石の表面が赤く染まっているものがあり、染まった厚みは数センチにも及ぶことがあります。
切断したとき、外側が赤、内部が緑色のままでしたら、赤から緑、まさに翡翠そのもの。

ヒスイは翡翠輝石岩※@
宝石としてすぐに思い浮かべるもの「ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、エメラルド、翡翠、トルマリン、ガーネット、水晶」などがありますが、ここにあげた翡翠以外の鉱物を宝石に加工する場合、その鉱物の一つの大きな結晶をカットして作ることになります。しかし翡翠の場合はそれとは異なります、翡翠は細かな結晶がいろいろな方向を向いて綿密な塊になって出来ている結晶の集合体です。他の宝石が「鉱物」であるのにたいして翡翠の場合は「岩石」であると言えます。
{結晶の大きさ、密度、他鉱物の影響などがある、翡翠はロウカン(インペリアルジェドー)と呼ばれる最高級の宝石・・・所々に翠がある程度の彫刻(ペンダント・置物など)・・・飾り石として鑑賞するのに良い石・・その辺の川原に転がっている普通の石にしか見えないものまで多岐にわたつって在ります}

東洋の宝石、ヒスイ
玉文化の頂点である、中国にはさまざまな玉石がありますが私が思うに中でも一番有名なのは新疆ウイグル自治区、ホータンの玉、「最上の物は羊脂玉と呼ばれ透明感のある黄みの乳半色」 この石もしばしば翡翠と呼ばれますがこれは別の鉱物で軟玉(ネフライト)※Aです。
軟玉も翡翠と同じように綿密な結晶の塊でできていますので優れた加工性があります。
清の時代(13世紀頃)になってミャンマーで翡翠が発見され、その比類ない美しさ故に、以後、翡翠は中国の玉文化の一翼を担うようになりました。
翡翠はミャンマーの奥地で発見されましたが中国経由でしか、外に出なかったため長い間、中国産だと思われていました、明治時代以降、清の翡翠が盛んに日本に持ち込まれました。
日本では今から5000年以前の縄文時代から古墳時代の遺跡からたくさんの翡翠の勾玉・大珠などが出土していましたが、1939年に新潟県小滝から翡翠が再発見されるまで、翡翠は中国から渡って来たと思われていたようです。
5000年も前から翡翠を使っていた日本には正しく世界最古の翡翠文化圏があったことになります。

ヒスイの魅力
翡翠はダイヤモンドよりも軟らかいけれどダイヤモンドよりも堅い石と言われています、
ダイヤモンドなどの多くの結晶鉱物にはへき開(叩くと平らに、決まった面で割れる性質)があり
その面に沿えばダイヤモンドでも簡単に割ることができます、しかし、細かな結晶の塊である翡翠は硬度7程でありながら極めて強靭であり、容易に割れることはなく、彫刻などに加工するには非常に優れた素材です。
※但し、石目がある場合はその部分から割れてしまうこともありますが。

磨けば光る玉”翡翠”は5000年も以前から玉作り人により勾玉や大珠に加工され、装飾品あるいは宗教的に使われてきました。※糸魚川の寺地遺跡からは縄文時代のヒスイ工房址も発見されました。
翡翠の勾玉を身に付けるとなんとなく穏やかな気持ちになれるのは、日本人の血なのかも知れません。(一部では最強のスピリチアルストーン・パワーストーンとしての根強い人気もあるようです)

万葉集の中に糸魚川の翡翠の事ではないかと思われる歌があります。

「ぬな川の 底なる玉 求めて 得し玉かも 拾ひて 得し玉かも
あたらしき 君し 老ゆらく惜しも」


意味は、ぬな川の底にある美しい玉を探して、ようやく手に入れたり、偶然にみつけて拾ったりすると、いちだんとりっぱに思われ、大切にされる。
その玉のようにりっぱで大切なお方が、年をよられるのは、ひどく惜しまれてならない。

と言った意味らしいですが、前半の部分は現在も一部のマニアの間で楽しまれている「姫川での翡翠拾い※B」そのもの、古代の人たちの想いがそのまま現在に受け継がれていて実に素晴らしいことだと思います、ロマンですね。

ヒスイ彫刻工房明日葉としては出来るだけこの糸魚川産のヒスイを主に使って彫刻を制作したいと思っているのですが現実として彫刻に適するレベルのヒスイは希少で多く確保するのは難しい面があります、したがって糸魚川の翡翠ほか国産と、とミャンマーの翡翠ほか外国産の2本立てで製作しております。


※@ ひすい輝石 jadeite(NaAlSi2O6)
ひすい輝石は大きな結晶はつくらず小さな針状の結晶が集合する、とても緻密で堅い塊です。
純粋なひすいの結晶は無色ですが塊になることで白く見えます、結晶の隙間にクロムやチタンなどが入ることによって緑、藤色、青などさまざまな色がでます。鮮やかな緑色のところはひすい輝石ではなくオンファス輝石であることが新たにわかりました。

※A ネフライト(透緑閃石)
ネフライトまたはアクチノライトと呼ばれる、細かい針状の結晶の緻密な集合体、
極めて緻密で脂肪光沢をなすものは軟玉とよばれ玉製品に利用される。

※B 姫川での翡翠拾い
奴奈川姫を祭る神社が糸魚川周辺に多くあります、「ぬな川の 底なる玉」のぬな川とはこの
奴奈川のことだとおもいます、奴奈川姫の川すなわち小滝川の本流の姫川です、今でも時折良質なヒスイが拾えます。
縄文時代の昔から翡翠が拾えるところ”新潟県糸魚川”〜富山県朝日町ヒスイ海岸”
糸魚川市にある小滝川の上流に小滝川ヒスイ峡、青海川の上流には橋立ヒスイ峡がありいずれの上方にもヒスイの産地があります、長い年月を経て川から海に流れ出たヒスイは遠くは越中宮崎海岸までたどり着いています。
多くのヒスイマニアがロウカン翡翠を夢見てヒスイ拾いに出かけています、経験とコツをつかめば
ヒスイは拾えるようになりますが、やはり上質のヒスイを拾うのは幸運にも恵まれなければならないようです。

                    
                                  糸魚川の海岸で採集したロウカンタイプのヒスイ
  ヒスイ彫刻工房あしたぼ




新作、翡翠の水浴び
清流の流れから少し外れた木陰の小さな水溜り、こっそり水浴びに来た翡翠(カワセミ)、羽音だけがかすかに聞こえる。

ミャンマー産の淡いラベンダー色の入るヒスイで製作いたしました、裏面は皮の表情を残してあります。
台は糸魚川の海岸に漂着した流木で作りました。

商品ページは左のイラストをクリック!!

ヒスイ彫刻工房あしたぼ