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充電池を調子良く使い続ける為に――

自己放電器、つまり無電源放電器、がずっと欲しくていつかは作ろうと思っていた。そんな折、終止電圧可変の回路(HERE)をネットで見付けた
――何も考えず其の通りに製作した。でもシェルはいいのが欲しいね

放電器は、充電池のメモリー効果解消の為のもの。ラジコンユーザーなどにとっては必需品だけれど、充電池も一般的なものになったとはいえ、放電器は無ければ困るというものでは無い。
しかし、如何いう場合に如何使えば如何なるのか?――といった事は周知されているのだろうか?

先進国のなかで日本は、充電池に関する一般的な知識はかなり立ち後れている様子。その結果と思えるのだが、少なくとも、市販の関連機器は極めて少ない。
そんな理由をここで考えるのは手に余るのだが、ここ二三年、所為エコブームなどもあって、充電池も一般に浸透し始めたのは確かで、ようやくトップメーカーから放電機能付きの充電器も市販されるようになった

しかし、今や充電池は安い。単三型でも二三百円である。100均ものもある。驚いた事には、100円の充電器まで出現した(左画像)
メーカーが主張する使用回数を使えなかったぐらいで誰が文句を言うだろう。メーカーは、ニッケル水素電池をして自己放電も無く(乃至少なく)メモリー効果が起きない(乃至起き難い)ものとしている
――大嘘としか、わたしには思えないのだが…。否、それどころか、日本のメーカーは充電池の使い捨てを期待しているのでは無いかとすら…


 
オートカット自己放電器
17th August 2007, last modified on 17th August 2007
――100均充電器シェル流用/外部電源不要/オートカット/終止電圧可変/急速放電
 
chapter1: 充電池に纏わる蘊蓄が多いのも理由の無い事では無い
 
1-1. 充電池の主流
1-2. メモリー効果とリフレッシュ
1-3. 充電器と放電器
 
chapter2: 放電器の製作
 
2-1. 回路図
2-2. シェルの流用
2-3. 画像でも
 
chapter3: カイロの製作
 
3-1. どうせなら
3-2.
3-3.
 


chapter1: 充電池に纏わる蘊蓄が多いのも理由の無い事では無い

1-1. 充電池の主流

充電池の主流は今やニッケル水素である。ニッカドと比べると、

<長所>
・高いエネルギー密度
・人体に対する有害物質(カドミウム)を含まない
・急速充電が技術的に容易
・自己放電が少ない
・継ぎ足し充電してもメモリー効果を起こし難い

<短所>
・過放電に弱い
・過充電に弱い

――と、圧倒的に長所の方が多い。あくまで相対的な話しだけれど

リチウムイオン充電池になると、大まかに言って、上記の傾向が更に増す。過充電で爆発や発火(過放電でも)するからか如何かは判らないが、汎用的な仕様のものはほとんど無い。実は市販のセルなどは無く、全て保護回路が内蔵されているのだが、中国製の物真似製品などでの爆発事故が多発した事もある。また、電気二重層キャパシタという理想的な充電池(?)の利活用も進んでいるが、これは充電池とケミカル・キャパシタの中間的な特性のもので、云々…

さしあたり、汎用性が高い充電池は、ニッケル水素とニッカドだと考えていい。一般に高性能と評価出来るニッケル水素の市場が大きくなったのは当然としても、ニッカドの市場が無くなった訳では無い。打たれ強いニッカドは、手荒に扱えるのが楽しいところだと、個人的には思う

そんなかつての主流であったニッカドの持病とも言えるのが、メモリー効果って訳だな。
しかし、ニッケル水素にメモリー効果が起きないという訳では無い。何故だか、メーカーは、あまり明快な表現をせずに――例えば、ニッケル水素なら継ぎ足し充電も平気――、あたかも起きない現象であるかの様な印象を与えている事が多い。
平気という言い方では、ニッカドだって平気なのだ。唯ちょっとメモリー効果を起こし易いだけのことで


1-2. メモリー効果とリフレッシュ

浅い放電深度で繰り返し充放電――少し使っては充電する俗に言う継ぎ足し充電――を続ける事で、浅い充電や低電圧満充電を電池が憶えてしまう現象をメモリー効果というのだな。こうなると、
・充電しても電圧が上がらない
・使えても短時間
・充電時間が短くなる
――要するに使えない充電池になってしまう

これを解消して、充電池を正常な状態に戻すのをリフレッシュと言い、放電器が必要になる

でも、そんな使い方するのか?
電動ラジコンユーザーでも無い限り、浅い放電深度で繰り返し充放電するなんて事は滅多に無いだろう。電動ラジコンやミニ四駆などの場合は、少しパワーが落ちれば充電、つまり継ぎ足し充電、する事が通常なので、放電器は必携な訳だ。
ポータブル・ミュージック・プレーヤーにかつてニッケル水素充電池が主流として使われた事がある。一度の外出での使用の多寡に拘らず、帰宅すれば充電して、次の利用での最大限の持続時間を用意するという使い方は、正に継ぎ足し充電だった。しかし、そのテの機器の充電池にはリチウムイオンが使われるようになった。これは、携帯のバッテリーもそうで、メモリー効果が全くと言っていいほど無くデンドライトも起こさないのだ

では、普通に使っていればいいのか?
と、安心出来ないからやっかいなのだ。多くの電子機器で電池は複数本を直列で使用する。それらの充電池の性能にバラツキが出始めると残量や終止電圧にも差が現れ、あるものは過放電で痛め、別のものは継ぎ足し充電をする事になってしまう。これが更なるバラツキを作り出すという悪循環で、加速的に充電池を駄目にしていくのだ。
実は、このバラツキを解消する、残量を等しく適正にする、のも放電器の役割だ

因みに、充電池には適正な終止電圧というものがある。
放電プロセスや環境にも依るが、通常、0.9V〜1.1V(負荷電圧)である。それ以上の放電は、特にニッケル水素の場合、充電池を痛めてしまう。例えば、クリプトンライトなどに使うと、電池残量を絞り尽くしてしまえる事から、容易に過放電となる。電子機器の注意書をよく読むと、二次電池(充電池)の利用を禁止しているものが実に多い

リフレッシュとは、文字通り充電池の状態を元に戻す事で、メモリー効果を解消する事である。
方法は、満充電した充電池を、適正な終止電圧まで強制的に放電してやる。通常、一回で解消されることは少なく、二三回これを繰り返す事が多い様だ。セル一本づつこれを行うのが理想である。放電器が無ければ実際的に不可能な事だ

もちろん、駄目になったら棄てればいい、と考える人も多いだろう…


1-3. 充電器と放電器

電子立国などと言われもする日本だが、一般ユーザーレベルでの充放電機器に於いては後進国だ。
欧米では、マイコンやPC制御による充放電機器も多く、この分野の専門的資料も多い。充電池利用に関する基本的知識が一般にも浸透しているかどうかは知らないが、少なくとも、日本より周知されていても不思議では無い状況だ

これは所謂エコに対する意識の違いからくるものだろうか?――欧州には、人体に対する有害物質を含むニッカド電池の製造販売を法的に禁止している国も少なからずある。それとも、思考に勝る欧州的意識の合理的な帰結なのだろうか?
ニッカド電池の製造販売禁止はダイレクトに環境問題だが、充電池の利活用をしてエコだとする向きは個人的にはどうも納得し難い

この二三年に日本で充電関連の市場が大きくなったのも、エコ志向というキャッチを借りた所謂エコビジネスに過ぎないようにも思える――ファッション業界では、エコ(実態はリサイクル)を標榜してプレミアム価格のエコ・ブランド市場をつくろうという動きが出ているけれど。。よしてくれと言いたくなる…

まぁそれでも、日本で、ニッケル水素充電池の大容量化/低価格化や信頼性の高い多機能・高性能の充放電器の発売といった動きが活発になったのは、個人的に有り難い限りだ

・充電池が格安だと思えるのは、秋葉原なら秋月,千石辺りのショップかな?
・ニッケル水素充電池の破裂事故が多くなったのは、一説では、構造的な容量限界である2,000mAhを超えたからというのもある

キムラタン,注目は何と言ってもこれかな?
 ――Quick Eco方式により充電池を痛めずに急速充電可能。単セル独立制御/表示,不良電池摘出等
NC-MR58(サンヨー)
 ――急速充電,リフレッシュ(放電)機能,単セル独立制御/表示,不良電池摘出等
BQ-391(パナソニック)
 ――急速充電,単セル独立制御/表示,不良電池摘出等

上記の三機種は、何れもマイコン制御で単セル独立制御/表示が出来る基本機能に優れたものだ。リフレッシュ機能があるのはNC-MR58のみなのが残念。キムラタンにリフレッシュ機能が追加されれば買ってもいいと思う




chapter 2: 放電器の製作

2-1. 回路図

冒頭にも記したが、回路はネットで見付けたもの(HERE)そのままであるから、動作原理や終止電圧調整方法等の詳細はここでは触れない。素晴らしいと思ったのは、
・外部電源不要
・完璧なオートカット
・終止電圧可変
・ディスクリート構成
・低予算
右の回路図は1セル分。1.5Ωの抵抗は2W以上のものを使う事

わたしが今迄使って来たのも自作の放電器だったけれど、コンパレータで放電電圧を検出するありがちなもので、厳密な終止電圧を設定出来るのものの、外部電源が必要だった。しかも、パワートランジスタで熱にエネルギー変換するというもので、本来的な使い方からすると、ちょっとイリーガルな気もしていた。
製作後は、無電源という手軽さもあって、こればかり使う様になった


2-2. シェルの流用


左画像は100均の充電器である。案の定、中国製で、中身は極めて簡素というか、原始的なテーパーチャージ(準定電流充電方式)である。使用する充電池の容量に応じて充電時間を見計らって取り外すというもので、うっかり見過ごす事で簡単に過充電可能なもの。
尤も、0.1CmA程度の電流しか流れないので、少々のオーバータイムは平気なのだろう。でも、好い事じゃないよね

もちろん、これで充電したりはしない

ケース自体はなかなか可愛いので、これを放電器の為の電池ボックスにする
――否、シェルにしてしまうのだ

単三/単四型の共用が可能で、赤色LEDのパイロットランプがある











裏側には、コンセントプラグがあり、これを外してしまえば、排熱の為のエア・インテークにもなりそう

トランスが入っているスペースは比較的広く、ここに熱変換の為の抵抗を設置出来そうだ。
しかし、基盤があるスペースはとても狭い


 

2-3. 画像でも


これで、ニ回路分

左側が制御部で、充電器に元々あった基盤を適当にカットした箇所に配置

右側がパワートランジスタと放電負荷抵抗で、トランスの入っていた比較的広いスペースに設置した――こっちはかなりの高熱になるので、対流も考える必要がある。
隠れてしまったが、抵抗を取り付けた基盤面には銅板を貼り付けて接続部位にすると共に熱が回路側に伝わり難い(?)ようにしたつもり











内側に凹んでいた部分を切り抜いて、その場所にスイッチと終止電圧調整用のボリュームを配した


排熱穴を4つ開けた。下から上に対流が抜け易いのもあるのか、思った程には温度は上昇しない。抵抗真上の部位で50℃ぐらいかな

パイロットランプの赤色LEDは使えないので取り外して、全く同じ箇所に、パイロットランプのムギ球を設置した。白いシェルに暖色系のムギ球の発光は、写真では光がぼやけてしまっているが、なかなか品がいいと思う




chapter 3: カイロの製作

3-1. どうせなら

電力会社は原子力や火力によってCO2や熱を撒き散らしながら発電し、わたし達は、その電力を購入して充電池に電気を溜め込む。そして放電して熱を撒き散らす。その発熱量は微々たるものだが
――これほど温暖化にストレートに協力的な行為も少ないんだろうな(笑)

しかし、放電器で唯単に熱にしてしまうだけなのは、なんとも惜しい話しだ。どうせなら、その熱を副次的なものではなくて、目的そのものにしようと思う

そんな訳で、カイロを製作してみたい。
逆の考え方をすれば、充電池が利用可能なカイロを探せばいい。それはきっと放電器として使えるものに違いないからだ

――でも、これは、寒くなってからかな……













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