私達は渓流環境を保全するために、11年間に及び土砂災害低減や
砂防施設のあり方について問題提起をしてきました。
その中で人々の関心も徐々に高まりつつありまする
今、東日本大震災を契機に税金の使い方や公共事業のあり方について、
再度考える必要性が問われています。
多くの国民がこのことに関心を持てば政治は変わってきます。
今何が必要なのか、一緒に考えてみませんか!
●開催日時…2011年11月19日(土) 13時00分〜17時00分
●開催場所…長野県松本市 勤労者福祉センター3階第5会議室
●資料代…500円
●スケジュール
基調講演
「砂防ダム問題の今後について」
高橋剛一郎(富山県立大学工学部教授)
「赤谷プロジェクトの意義、現状と課題」
田米開隆男(元 林野庁関東森林管理局計画部長)
パネル討議
司会 田口康夫(渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える、水と緑の会)
「オープン式砂防ダムの機能検証」
大浜秀規(山梨県水産技術センター)
「砂防ダムによる水生昆虫への影響」
ほか基調講演者
現地報告
裾花川清水沢治山ダム(長野市)
霞沢砂防ダム(松本市)
島々谷砂防ダム(松本市) など
現地見学 11月20日(日)
霞沢
●主催 : 渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える
水と緑の会
●後援 : 長野県自然保護連盟
●協賛 : パタゴニア 日本支社
千曲川・信濃川復権の会
私たちは渓流環境を保全するために、11年間に及び土砂災害低減や砂防ダム施設等のあり方について問題提起をしてきました。その中で人々の関心も徐々に高まりつつあります。しかし全国的に見れば既に8万7千基(治山ダムを含めず)以上の砂防ダムが建設されており、渓流環境は破壊され悪化の一途をたどっているのが現状です。振り返って見ると環境運動によって渓流環境は全国一律によくなっていくのではなく、渓流環境保全に関心の高い人々が多い地域ほどよい環境を維持できているという結果が現れています。渓流環境は地形や地質など地域によって違いがあるので一律な方法では決められないが、地域の人が保全の重要性を理解して積極的に関わることがよい結果を出すことに繋がっています。
今後の活動を進めるためには、今までの提案や指摘が良かったのか?成果はあったのか?行政は変わってきたのか?渓流環境は保全されているのか?優先度の低い事業の見直しが東日本大震災の復興に役立つのか?など考えなければならない課題はたくさんあります。
11年間の経験から見えてきたことは、今までのような「お願い型」のやり方ではなかなか解決し得ないということでした。渓流の景観、生き物、遊びなどに関心のある人々が、それぞれの経験に基づいた知識や思いを、市民参加型の様々な会議・催しなどで積極的に意見を述べていくことが必要です。
今回のシンポジウムが次なる飛躍につながるため、砂防・治山行政のあり方、渓流環境復元方法、そのための様々な分野からの意見が集約され、「砂防ダム問題」の本質と方向性を示すことができればと考えます。
なお渓流環境の復元が人々の豊かな生活環境を再生し、そして安心・安全な住みやすい町づくりの一環に通ずることを期待しております。
今、東日本大震災を契機に税金の使い方や公共事業のあり方について、再度考える必要性が問われています。多くの国民がこの事に関心を持てば政治は変ってきます。今何が必要なのか、一緒に考えましょう!
富山県立大学工学部環境工学科 高橋剛一郎
1.はじめに
砂防は土砂災害の防止を目的としている。広い意味では国土保全の一部に位置づけられる。この発表では単なる砂防ダムにとどまらず、まずは国土保全全般と環境保全の関わりを概観してみる。次いで、環境保全と国土保全の現状と問題点を掘り下げてみる。特に、流域全体での土砂動態のバランスが崩れていることを指摘し、これを含めて渓流の連続性確保やダムやコンクリートに頼りすぎない砂防・河川工事の可能性を考える。
2.国土保全と環境保全
3.自然環境の保全は実現されているか
4.健全名物質循環のために
5.おわりに
意義、現状と課題
田米開 隆男
【シンポジウムの映像(YouTube)】
第九回渓流シンポジウム No.1 基調講演
第九回渓流シンポジウム No.2 パネル討議