第18回水郷水都全国会議・長野県大町大会

〜 「川は川らしく、湖は湖らしく」市民の権利と役割 〜

日時 2002年11月16日(土)17日(日) 於 長野県大町市

市民が自然環境を享受する権利を確立しよう

「環境の世紀」にふさわしい公共事業を確立しよう

循環型社会にふさわしい流域の環境保全をすすめよう


水郷水都全国会議の沿革

 水郷水都全国会議は、1984年に琵琶湖畔で開催された世界湖沼会議に参加した市民の交流をきっかけに始まりました。第1回大会は、宍道湖・中海の干拓問題を焦点に、松江市(島根県)で開催され、「親水権」の確立を提起しました。以後、毎年全国各地において、各地域での水環境問題を焦点に取り上げながら、市民、市民団体、研究者、企業、行政など、幅広い人々が参加し、交流を重ねてきました。

◆大町大会のめざすもの

 水源地帯の環境保全は、その地域社会のみならず流域全体で取り組むべき課題であることは言うまでもありません。日本の背骨、信濃川の源流に位置する大町市における水問題を一緒に考える中から、水源地帯における環境保全のあり方を探ってみます。
 とりわけ、大町大会では、川や湖の本来あるべき自然の姿を市民が享受し、それを守り育てる役割を担うことを中心に議論し、水郷水都全国会議の理念である「親水権」の発展に寄与することをめざします。

◆開催要項

日 程 2002年11月16日(土)〜17日(日)
開催地 長野県大町市 木崎湖温泉及び黒部観光ホテル
主 催 水郷水都全国会議・長野県大町大会実行委員会
    実行委員長:西條八束(名古屋大学名誉教授)
後 援 環境省、長野県、大町市
    信濃毎日新聞社、大糸タイムス
    大町市観光協会、木崎湖観光協会


◆日程概要

11/16日(土)

【現地見学】

     10:45 大町駅集合(新宿7:00発あずさ1号、名古屋7:10発しなの1号で参加可)
     11:00〜13:00 現地見学(昼食を含む)
       Aコース:仁科三湖、
       Bコース:「川と湖の訴訟」の現場、
       Cコース:鹿島川の渓流砂防

【はじまりの全体会】 大町市平公民館

     13:00〜 受付開始
     14:00〜 開会挨拶
           主催者あいさつ  名古屋大学名誉教授 西条八束
           全国実行委員会 奥井登美子
           来賓挨拶      大町市長 腰原愛正
           歓迎のあいさつをかねた現地からの基調提案
                       実行委員 寺井篤樹
     14:30〜 記念講演「環境を守る市民の権利、そして役割」
           講師:中村敦夫(参議院議員、みどりの会議代表委員)

     16:00〜 特別セッション
           「住民が参画するこれからの総合治水」
           基調提案 「ダムに頼らない治水は可能か」 
                講師:大熊孝(新潟大学教授、長野県治水・利水等ダム検討委員会委員)
           コーディネーター:保屋野初子(ジャーナリスト)
               長野県治水・利水等ダム検討委員会の報告(3団体)

     18:00   事務連絡、解散

【懇親会】 時間:18:30〜20:30 会場:ゆーぷる木崎湖(アトラクションなど)

      参加団体へのリレーインタビュー「水郷水都、私たちのこだわり」

11/17日(日)

  9:00〜12:00 A:分科会およびB:特別セッション、
          場所:平公民館

【A:分科会】

第1分科会   川は川らしく、湖は湖らしく復元させるために

  コーディネーター
     田渕直樹(元新潟大学大学院生)

  助言者
     松村文夫(弁護士、大町『川と湖の訴訟』弁護団)
     櫻井善雄(信州大学名誉教授)
     田中克哲(元水産庁 漁業協同組合員学校漁業法講師
        元水産庁 中央水産研究所漁業経営経済研究室長
        現在   漁業振興研究所コンサルタント)

第2分科会  環境を守る市民訴訟の現状と課題、その展望

  コーディネーター
      中島嘉尚(日本環境法律家連盟副代表、弁護士)

  助言者
      籠橋隆明(日本環境法律家連盟事務局長、弁護士)
      市川守弘(ナキウサギ裁判弁護団団長、弁護士)

第3分科会  砂防ダム問題と渓流環境

  コーディネーター
     高橋剛一郎(富山県立大学短大部 砂防工学)

  助言者
     松島信幸(伊那谷自然友の会、理事)

  知られざる黒部渓谷〜柳又谷〜の保全について(高橋剛一郎)
  山岳河川における砂防ダムの矛盾 (松島信幸)
  内山卓郎(ジャーナリスト)
  砂防ダム問題と渓流環境  (田口康夫 渓流保護ネットワーク)


第4分科会  有害化学物質から水源地の水を守ろう(ハイテク産業とリスクコミュニケーション)

  コーディネーター
     及川稜乙(あづみの道草あかとんぼの会代表)

  助言者
     糸土広(自治体環境研究所研究員)
     安藤直彦(環境カウンセラー)


第5分科会  水源地の森を生かそう(森に学ぶ、山で働く、木を使う)

  コーディネーター
     香山由人(企業組合山仕事創造舎代表理事)

  助言者
     植木達人(信州大学農学部森林科学科助教授


第6分科会  「緑のダム」を検証する

  コーディネーター
     姫野雅義(NPO法人吉野川みんなの会代表)

  助言者
     中根周歩(広島大学大学院教授森林生態学) 

   ※一部、 コーディネーター、助言者などが変更になることがあります。 (敬語略)

【B:特別セッション】
    「仁科三湖の自然環境から学ぶ」 
    講師:林秀剛氏(元信州大学教授)、コメンテーター:西條八束(実行委員長)

【C:応募テーマ交流会】(参加団体からの提案テーマによる交流会)
    テーマ例:「水辺再生」「環境学習」「グリーンコンシュマー」「合併浄化槽」など

【まとめの全体会】 会場:平公民館
     13:30〜 開会挨拶
     来賓あいさつ(大町市、環境省自然保護局中部山岳国立公園事務所)
     13:40〜 テーマ別交流会の報告(各助言者より、8分×6)
     14:30〜 まとめの講演「湖は生きている〜ともに生きる私たちの責任〜」
           講師:西條八束
     15:10〜 宣言案提案と採択
     15:20〜 実行委員会からの謝辞と次回大会についての報告
     15:30 閉会


信濃毎日新聞 2002/11/17