島々谷川第6号砂防ダム建設に関する要望書

2004年8月23日

島々谷川環境調査委員会委員長 桜井善雄 様
島々谷川環境調査委員会    各委員  様

 私たちは島々谷川第6号砂防ダムに関して1998年の松本砂防事務所佐藤所長時代から西山所長、長井所長そして現在の今井所長に至るまで継続的に話し合いを進めてきました。そして、これまでに何通かの島々谷川第6号砂防ダム建設を止めてもらうための要望書、意見書、質問主意書などを提出してきました。私たちはこれらの書面を各委員の方々に渡してもらうよう松本砂防事務所側に口答で連絡してありますが、なぜか渡していただいてありません。まずはお願いですが、委員の方々は松本砂防事務所側にこれらの書面の提示を要求していただけないでしょうか。

 さて第6号砂防ダム建設予定地の上下流は、生態系としての重要性のみならず、北沢きってのすばらしい景観を持っています。そして何よりも、今までに建設されてきた多数の砂防ダムによって川そのものの循環機能が切断されたことが、河川環境に大きな影響をもたらしています。特に激減した生物や景観など環境への影響は、6号砂防ダム建設だけでの問題として論じることはできません。
 たとえば砂防ダム建設や工事用道路などが上流へと延びてきた時間経過と共にカジカ、イワナなどの魚類の絶滅や減少が進んだことが、このことを象徴しています。またワサビ沢トンネル入り口付近の盛り土上には、工事によって運ばれたと思われるビロードモウズイカ、オオバコ、クローバー、ヒメジオンなどの帰化植物が持ち込まれ繁殖しています。これらの現実をどう思われるでしょうか?

 また流域砂防の見地からしても、防災効率に関しては1999年の梅雨豪雨時において3号砂防ダムより下流に実質的被害が生じたことなど、6号ダムを造れば安全になるのか不明確な点があります。砂防達成率ではどこまで造れば安全になるのかなど説明しなければならないことが多々あるにも関わらず、未だ説明されていません。また全国的に同様なことをおこなっているため事業費の増加が日本の財政を圧迫し、国民の幸せに繋がる適正な政策実行に害を及ぼしてもいます。この様な問題からも砂防ダム建設は様々な要素と総合的な視野に基づいて議論されるべきものです。
 本来ならば今回の委員会の中に私たちの会も参加し発言の機会を与えられるべきですが、残念ながらそうなっておりません。

 長野県においては、「信州・長野県における土砂災害対策のあり方」と言う通達が知事、土木部長、林務部長、農政部長の名前において本年4月28日に出されました。(別紙参照)。
 内容は<ハードになるべく頼らない><ハードに頼る計画を見直す><ハードに頼る意識を変える>という画期的なものです。なお、私たちは本年 5月20日に長野県に「小野沢第2号砂防ダム建設中止を求める要望書」を提出しました。この要望に対して県は、7月20日に「この砂防ダムの建設は休止する。」と文書回答しています。委員の皆さんには、長野県のこの態度や時代的要請を理解し、今回の審議に役立てていただけないでしょうか。

 なお、今回の環境調査委員会は「6号ダム建設の有無を論じない」と言う足かせをはめられておりますが、6号砂防ダム建設が環境に及ぼす影響は明らかです。私達は6号砂防ダムに代わる代替案(別紙)を提案しておりますが、仮にこの案が有効ならば6号ダムを造らないと言う選択肢も意義あるものになります。ぜひこの足かせにとらわれることなく、専門家としての信念に基づいた議論を進めることを期待し、要望書を提出いたします。

1、委員会は公開を原則として傍聴をさせてください。現在は一部公開のみです。資料は支障のない範囲で配布して下さい。第2回目ではマスコミにしか配布しないという作為的差別がありました。

2、委員会の開催中に私達の意見を聞く場をつくって下さい。委員会には各分野の専門家が参加していますが、私たちは長年にわたって島々谷川の環境や景観、魚類などについて調査してきました。

3、「6号砂防ダム建設の有無を議論しない」と言う規約を見直して下さい。
 島々谷川の環境を論じる場合、今までつくられてきた砂防ダムによる影響を抜きにした6号砂防ダム建設部分だけの環境調査論は、環境専門家の立場からしても納得できないのではないでしょうか。今回の審議は総合的判断が必要となるべきものです。

4、本委員会から次のような内容の提言をして下さい。
 6号砂防ダム建設に関する市民、環境団体、専門家、松本砂防事務所などが参加した公的な検討委員会または準ずる委員会を開設する。

以上

水と緑の会 会長 竹内繁治
長野県自然保護連盟 会長 町田和信
公共事業と災害を考える会 代表 内山卓郎
あづみの道草あかとんぼの会 代表 及川稜乙
安曇野環境ふぉーらむ・八面大王 代表 藤原 浩
渓流保護ネットワーク「砂防ダムを考える」 代表 田口康夫