安曇村長との対談

2004年1月28日 午後1時30分〜 約2時間

     

概要

 対談内容は、まずはこちら側が6号砂防ダム建設予定地の景観、自然環境のすばらしさを写真を見せながら説明し、その後1999年に降った大雨での土砂の出方と被害状況の特性、つまり3号砂防ダムから下流の土砂流出被害が大きかったことを説明しました。
そして6号砂防ダム建設に変わるそれぞれの代替案を理由を付けながら説明しました。

     

代替え案

1.1号砂防ダムのスリット化

 これは地形的なこともあり、ダムによる河床上昇により99年の大雨時に付け替え道路を伝わって土石流が下流人家にあふれ出る寸前までいった。まずわ河床を下げ安全を確保し、なお砂防ダムの土砂調節量を高める必要がある。

2.3号砂防ダム浚渫

 ダムの浚渫等をして常に空状態にしておき小嵩沢、本流からの土砂流入に備える。
松本砂防事務所は浚渫の必要性を考えていない。
(昭和20年の災害時は、小嵩沢からの土砂が本流をせき止め決壊する鉄砲水で被害が大きくなった。なお当時の山が裸状態にあったことも考慮すべきである。)

 アーチ式ダムだがスリット化が可能ならばおこなう。

3.4号、5号ダムのスリット化

 6号を造る以前にスリット化による土砂調節量の増大が見込めるので、まずは既存のダムの改修(嵩上げも含め)を優先すべきだ。
新たに環境を壊すダム新設は選択肢の中でも最下位にすべきである。)

4.渓流内での自然土砂調節場所に排土(残土)を置くべきでない。

 5号砂防ダム上、二俣下、3号砂防ダム上流等への工事による残土を放置(捨てる)は土砂生産を加速し、川の持つ土砂調節機能を阻害することになり、砂防論理から見てもおかしい。

5.林道からの土砂生産の抑止

 北沢源流部、冷沢への林道の開設が土砂生産を加速させている。積極的に植林などをして安定化を図る。

6.土石流が出ることを前提とした防災対策の実施

 99年大雨での土砂流出の特性を考慮しソフト対策と土地利用対策を考える。この
事は土砂災害防止法にもかなうことにつながる。

7.安曇村、島々住民、松本砂防事務所、環境団体などで勉強会をする事を提案

村長から

村長は、景観や自然環境は大事だがここだけを特別な場所と考えなくてもいい。
村民の生命と比べればこちら(砂防)を優先すべきである。
国がしてくれる砂防事業を断れば二度と砂防事業をしてもらえなくなる。
たとえ全体から見た土砂調節の意味合いが悪くても上流部での第一撃を制御できるならそれで十分、造らないよりいい。
代替え案は理解できる、6号砂防ダムができた後考えていきたい。
勉強会については、村としての考えは工事を進めてもらうことに決まっているので今更覆すことはできない。

対談の中で、受益者負担のない現状が安易な工事の承認につながっていることを強く感じました。
それから村長が言っていましたが、国直轄砂防事業でも県の負担もあると言っていました。