現地見学会報告 牛伏川       2004、3、21

報告  巽

参加者 15名    見学場所;キャンプ場周辺、明治の空石積堰堤、フランス式階段工、牛伏寺ダム、
             ダム下未改修区、緩急斜路改修済み区間、新しい改修区間。


写真1 牛伏川現地見学  (撮影 藤原)

今回の改修について

谷田さん、君塚さんからのコメント
・ 全体的に水のエネルギーを分散しすぎる。(安全性が求められすぎている。)
   もう少し深い淵、大きなプールができるようにするとよい。
   そのためには特に左岸側の練石積護岸の勾配をもっと急にすれば、水衝部に強く水があたって深く掘れる。
   (現在の施工法では、かなり根入れを深くしてよいことになっている。)
・ 高水敷と高水護岸の間に、穴開き矢板をいれればもっと川が自由に動けるスペースをとれる部分がある。
・ 特に6号、7号あたりを中心に石を多く使いすぎる。砂と水が触れるところももっと必要。
・ ダムに貯まった土砂をダムのしたに置いて、少しづつ流下させるのも一つの方策。
・ イワナの生息のためには様々な場が必要。
・ 航空写真で全体を撮る、あるいは定点を決めて写真を撮っておくとよい。
・ 「これで完成」ではなく、砂や石の動きに応じてまた手をいれていくような工事のありかたがこれからは必要になる。

写真2 現地見学の感想 (写真 藤原)

参加者から;
・ これだけの改修ができたのは画期的である。
・ まだ初めの一歩だ。
・ もともとあまり土砂を出さない川ではないだろうか。箱庭的だ。
・ 面白い改良をいろいろ見せてもらった。川に川をつくらせるのがよい。
・ 川からの視点でみて、よいことをしたのかな。
・ 階段状の堰堤をここまでやったのは大変なことだ。
・ 行政が市民団体の意見を聴き入れたのは大きい。行政とのつながりが大事だ。
・ 地元の人間だが、大沢川にはまだ自然が残っているのでもっと関心をもってみていきたい。
・ 農水省も景観を言い始めたので、農業用の堰であっても環境を大事に考えていきたい。
・ この工事の経過をみてきているが、箱庭的な感が強くなったのと、浅くなったように思う。

私も一言;
  この改修を見にきてくれる人の中でたいてい何人かは、「箱庭的」といいます。その大きな理由の一つが大きな丸い石だと思います。私もこれができた時、この不自然さを感じて今もとても残念におもっています。
 山中の川にこんなおおきな丸い石はころがっていないことを、体験から感じている人もけっこう多いのではないでしょうか。これが角礫であればずっとちがうはずです。それにこれからは何とかして地元の石を使っってほしいですね。
 楽しい見学会でした。行政や業者も参加されれば参考になると思います。