第一回目のシンポジウム及びホームページなどによる効果が表れ、砂防ダム問題への取り組みが全国でちらほら出始めています。第二回シンポジウムが更なる飛躍を遂げることを願い、一人でも多くの人々が砂防ダム間題を考えるきっかけとなるように、またより多くの渓流や地域でこの間題に取り組む団体ができることを期待し、この間題の全国化を目指したいと考えております。渓流環境を守るためには、何が問題で、何が必要で、何を成すべきなのか共に考えようではありませんか。
今後も皆さんの協力をお願い致します。
雪どけと共に始まるせせらぎの流れは、
初春のまだ完全と目覚めぬ源流域の小岩や
モザイク模様の繊毯のような苔の間を、
まるで宝石のような輝きを持ってゆっくりと流れ下る。
それらの流れは、春の目覚めを待っている様々な植物や生き物に、
あたかも魔法の息吹を与える様にその間をぬっていく。
完全に雪が消える辺りでは、
眩しいような芽吹きが始まりつつある。
渓全体の生命の息吹が、
光と水音に集約されたような錯覚さえも感じさせる。
浅い緩やかな流れの中に目を移すと、
この冬に孵ったばかりの数センチのイワナの稚魚が
太陽の日を浴びながら活発に泳いでいる。
日本の源流部の春の光景である。
春、夏、秋、冬と四季を通じて渓は私たちに様々な姿をかいま見せ、
その魅カを存分に味わいさせてくれる。
この様な美しい渓流景観や、自然度の高い生態系を持つ環境が
いつまでもつづく事を願う。
田口 康夫