春は新緑と谷の岩肌とのコントラストの美しさ、夏は渓流特有な清涼感、秋は谷全体を圧倒する紅葉の美しさ、冬はコメツガの黒と、岩肌や落葉した木々の灰色、そして雪の白さとが、まるで渋い山水画を思わせる風情を醸し出す。
四季を通して枯れることなく流れ下る清らかな水は、これらの美しさになくてはならないものとなっている。そして谷は我々に最良の恵みをも与えてもくれる。幽玄な谷の景観や、岩魚、山菜、きのこ、木の実、などがそれである。私たちは渓流からその美しさを存分に味わいさせてもらい、谷筋の幸をほんの少しだけ分けてもらう。(そうまるで渓流乞食のように渓流から活力をもらう。)そして渓流特有な自然度の高い景観や生態系を持つ環境がいつまでも続くことを願う。
今、砂防ダムが渓流環境を蝕み、イワナをはじめ多くの渓流特有な生物が消えつつある。渓流環境を守るためには何が必要なのか共に考えようではありませんか。