2002/03/31  とうとう行って来ました、修行の旅に・・・・・。 なんてちょっと大袈裟でしたネ。
朝6時に自宅を出発、10時に現地に到着。 もっと雪深い土地かと思いましたが、木曽とほとんど変わりませんでした。
今年はどこも冬の始まりには沢山雪が降ったようですが後半ちょっと降りが少なかったようです。 
場所は長野県の北部、新潟県・群馬県との県境に近いところです。 下高井郡の夜間瀬・・・・北志賀になります。
スキーの好きな方にはあの海和プロでお馴染みのやませスキー場・竜王スキー場のあるところです。
 畔上さんとの出会いはホームページでした。といっても勝手にこちらが押し掛けたかたちでしたが・・・。 
どうしても幻の蕎麦が打ちたくて、無理を承知でお忙しい中一日時間を割いていただきました。 
一言で言います。二年間独学で蕎麦を打ってまいりましたが、ものの見事にうち砕かれました。 
その手際の良さ・体の動き・手さばき・すべてに驚きと感動を覚えました。 なによりも驚きを覚えたのはその水まわしにあります。 世間一般におこなう水まわしとは全く違います。 これぞこの地に先祖代々伝えられてきた水まわしなんです。
 私が探し求めてきた田舎の日溜まり婆ちゃんのしわくちゃな手真っ赤な夕焼け空そして家々の煙突から立ちのぼる夕餉の支度の煙・・・・・私は今までそんなものを感じさせてくれる蕎麦を追い求めてまいりました。
探して、探して、探し求めてきた蕎麦がここに有りました。
 今回の旅は幻の蕎麦を習う旅でした。 今まで誰にも習わず独学で勉強してまいりました。
独学の理由・・・・・・それは、自分なりに蕎麦と一人で向かい合い、自分の想いの詰まった蕎麦を創り上げてみたかったからなんです。
2年の間打ち続けそして食べ歩いてみて、ほぼ私の打ちたい蕎麦が見えてまいりました。
 その蕎麦を打つためにはどうしてもこの土地の方々が打たれている、この技が必要になりました。  
ほんとうに来て良かった。その一言でした。
 すばらしい人と技に出会えました。教えていただきました。そしてその技を今の代に、そしてのちの代に伝えようとしているこの土地の方たちの温かさに触れ、私が完成させようとする蕎麦がこんなにもすばらしい人たちのおかげで創り上げることができるなんて・・・・・・・・・・・・私がこれから生きようとしている人生にとって、とても記念になる大切な一日となりました。
今回お世話になった畔上さんご夫婦・田中さんご夫婦 皆さん本当にありがとうございました。
P/S
歌手の細川たかし夫妻・ノルデイックの荻原健二・スキーの海和プロも畔上さんの打つ蕎麦を食べに来られるそうです。
この方が畔上さんのご主人です。とっても素敵な方です。 畔上のり子さんです。衝撃をうけた一日の始まりです。
前日挽いてきた私の粉も打ってもらいました。さすがです。 田中さんの奥さんです。 先代からの技を教えていただきました。
皆さん駒板を使いません。打ち手の優しさが蕎麦に伝わります。 オーナーの田中さんは猪谷千春氏の時代のスキーヤーです。
今回お世話になった田中さんご夫婦です。元スキーの指導員です。 庭先のクロッカスが春の朝陽を浴びて輝いていました。
私の母親と家内です。 どのリンゴの木も手入れの行き届いた素晴らしい木ばかりです

2002/05/06  今年の連休はほぼ天気のほうにも恵まれ皆さん良いお休みを過ごされた事と思います。
私も暦通りではありますが休ませて頂き、大勢の方達と楽しい連休を過ごさせて頂きました。
毎日のようにバーベキューや花見〔私の周りは4月末に満開でした〕に参加をし、飲んだくれておりました。
いやはや皆さんのお酒が強いのなんのったら・・・・・。
おかげでいろんな方と知り合いになることが出来ました。 テンカラの達人、きのこ取りの達人、土地をただで貸してくれる方も二人、しかも1300坪・・・おやまぼくちの栽培用に300坪、蕎麦栽培用に1000坪、傍には清水が流れクレソンやセリが群生している素敵な土地です。 来週はこの土地をトラクターで耕そうと思っております。

そしてうれしいことが一つ有ります。 とうとう幻の蕎麦が完成しました。 試行錯誤しながら約2年、とうとう出来ました。 
玄蕎麦から挽いた20番メッシュの超粗引きの粉を100%蕎麦粉だけで打つ、幻のおやまぼくち蕎麦です。
蕎麦粉だけで打ちますから蕎麦の香りと味が強く、100%にありがちなバサつきがなく、のど越しと歯ごたえの良さも兼ね備えたのがこの蕎麦の特徴です。しかも100%だから麺が短いということは全くありません。普通の二八蕎麦以上につながっています。そして超粗引きの粉で打ちますから素晴らしい透明感と粒状感のある蕎麦です。
この蕎麦は、私にとって今考えられる最高の蕎麦ですが、一年後の今頃にはもっと進化した蕎麦が打てたらと思います。

最後に私事ですが、この連休の締めくくりにに一言書いておきたいことがあります。
それは昨日、私が東京でお世話になった方が亡くなられたことです。 東京へ単身で赴任している時にお世話になった方で、享年58才でした。 1月の初めに手術をされ、その後一滴も飲まず食わずの点滴だけの毎日で一生を終わられました。 
先日ベッドの中から電話を頂き   ・・・・まだ死ねないからもう少し頑張るわ高田さん! ・・・
と言われたのが最後の言葉でした。 真っ直ぐな性格の方でとても素敵な方でした。 一緒に仕事をさせていただいた10年近く病気らしい病気もされずとても元気な方でした。 今でも信じられない気持ちで一杯です。
ご主人や子供さんを残し旅立つことがどれだけ無念だった事か、胸中察するに余りあるものがあります。
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合掌
 やっとの思いでくれた電話です。 彼女の声もはっきり頭の奥に残っています。    
      まだ死ねないからもう少し頑張るわ!  
 彼女が頑張れなかった分まで頑張ってみたいと思います。生きてみたいと思います。
 どうか安らかにおやすみください。
おやまぼくち栽培用の土地。古瀬さんのご好意でお借りしました。 蕎麦栽培用の土地です。木村さんのご好意でお借りしました。
清水の流れる用水には天然のクレソンがいっぱい。 やはり清水の流れるところには天然のセリがいっぱい。
左から伊藤くん・片山ジュニア・片山くん・杉井ちゃま ミセス片山・ミセス伊藤・杉井ちゃまの妹さん・ミセス木曽?
伊藤くんの娘さんのミカちゃんが釣った21.5cmの岩魚です。 東くんちのジュニアたちです。バーベキューの火起こしです。
ちなみに大人たちは一匹も釣れませんでした。いつもの事ですが 子供たちには自然の中で生活させてやりたいものです。
田中ファームの末っ子・・・ちゃんです。 どう見ても親子ですよネ! おじさんとは思えません。
※無断ですが片山さんからの添付メールで送られてきた写真を5枚掲載させていただきました。お許しくださいませ。
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