フィラリアは心臓内・血管内に寄生する寄生虫です。
成虫は15〜35cm位の長さの“そうめん”のような姿をしており、
おもに肺動脈(心臓の右側から肺につながっている動脈)付近に寄生しています。
オス・メスの性別があり、めずらしいことに、メスは卵を生まずに
直接血液中に子虫(幼虫:ミクロフィラリア)を産出します。
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ミクロフィラリアは血管内を流れ、蚊の吸血時に血液とともに
蚊の吸い口に吸い込まれます。
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ミクロフィラリアは蚊の体内で成長し、ワンちゃんに感染できる状態に変化します。
(蚊の体内で成長しないとワンちゃんに入り込める状態にはなれません。)
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成長したミクロフィラリアを持った蚊が次ぎのワンちゃんの血を吸うときに、
皮膚の上にミクロフィラリアをおいていきます。
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蚊の刺し傷を通して皮膚から皮下、筋肉内とミクロフィラリアは移動し、
さらに成長していきます。
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ついには心臓内に達し、成虫になるのです。
これをくりかえすことにより、
ワンちゃんからワンちゃんへとフィラリアの感染は広がっていきます。
ワンちゃんからワンちゃんに直接感染することや、
心臓にいる成虫が産出したミクロフィラリアが
同一のワンちゃんの体内で成長して成虫になることはありません。
フィラリアに寄生されたワンちゃんはたいていの場合、始めは大きな異常は見られません。
しかし、時間の経過とともに、色々な症状が現れてきます。
フィラリア寄生は心臓に負担を掛け、「うっ血性心疾患」を引き起こすため、そのままにしておくと心不全や呼吸器不全、重度の貧血による極度の酸欠状態などをおこし、ついには死亡します。
場合により、フィラリアの急性症とよばれる状態になり、急死してしまうこともあります。
そのときの症状としては、
などがあげられます。
フィラリアの症状は慢性的でも急性的でも、上述の異常のすべてを示すわけではなく、症状の一部しかあらわさないケースも多いので、該当項目が少しでもあれば病院での検査をお勧めします。