昔、オレは友人「けんた」と一緒に回転寿司へ行った。しかも週に一回のペースだった。今思えば、なぜそんなに食べに行ったのだろうか?きっと回転寿司にはオレ達を引き付ける”何か”があったに違いない。間違いない。
 
 
オレ 今日の夕食は?
けんた え?いまさら聞くの?あえて聞くの?
オレ すいません・・・。またあそこですね。
 オレ達はいつもの回転寿司屋へ足を向けた。駅前にあるその回転寿司屋は、夕方ともなるとにぎやかなほどお客でいっぱいになる。オレ達がお店へ訪れると、お客のはけるタイミングがよかったのか、比較的空いていた。おかげで好きな席へ座ることができた。
 
 
オレ さーて、何から行きますかね。
けんた やっぱりこれでしょう。
オレ お、イカですか。この店のイカは結構うまいよな。
けんた 見ろよ、このイカ。すごい白光りだぜ。
オレ いや、白光りって言葉、あんまり使わないけどな。
けんた え?じゃ、白い光沢って言えばよかった?
オレ どっちでもいいよ、そんなの。
けんた お、おまえは何を食べるのかと思ったら・・・。
オレ イカだよ。当り前じゃん。
けんた おいおい、二人して同じもん選ぶなよ。周りに相性ピッタリだと思われるだろ?恥ずかしいなぁ。
オレ それはないわ。どんな感覚なんだ、おまえは。
けんた さーてと、次はどうするかなぁ。
オレ どうしますかねー。
 目を皿のようにして寿司皿を眺めるオレ達。いろいろなネタに目移りしているオレ達の側で、寿司を握る店員が威勢のいい声を張り上げた。
 
 
店員 イカが流れます!これ、いかがでしょうか!
けんた ・・・。
オレ ・・・。
店員 おいしいイカが流れますよ〜!いかがでしょうか〜!
けんた ・・・・・。
オレ ・・・・・。
けんた なぁ?
オレ 何?
けんた イカが2回聞こえたな。
オレ イカいかが?ってヤツだろ?これってさ、明らかにダジャレになってるよな。
けんた これ、わざと言ってるのか、それとも無意識のうちにダジャレになっているのか難しいところだよな?
オレ いくら何でもわざとじゃないだろ?わざとだったら、ある意味、確信犯だぜ。
けんた おお、明らかに犯罪だよな。
オレ 店員がさ、まじめな顔して自然に言っているのが、妙にウケるね。
けんた お、思いついた!
オレ 何?
けんた いいネタ思いついた。
オレ は?いいネタってどういうこと?
けんた え?決まってるじゃん。”いかがでしょうか”ネタだよ。ぜひとも店員に叫んでほしいね。
オレ へぇ、どんなの?
けんた ”イクラ”が流れます。これ”いくら”でしょうかー?ってどう?
オレ ぶっ!
けんた ちょっとアレンジしてるけどな。
オレ ”イクラ”流して、なんで店員が”いくら”(お値段)か聞いてるんだよ!いくら(お値段)か聞くの、お客の方じゃん。
けんた それがおもしろいだろ?
オレ なかなかいいんじゃない?
けんた じゃあ、”タコ”が流れます。これ”タコ”でしょうかー?はどう?
オレ 何じゃそりゃ!?何で”タコ”流している店員が、お客に”タコ”かどうか聞いてんのよ?アホじゃんか!
けんた だよなー。ほんとにこの店の店員、はっきり言うけど、アホだぜ。
オレ アホはおまえだって。

 
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