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日本動物看護士の会ニュースレター NOV.1999  編集:おSARUまSTATION


朝晩冷え込む日が多くなってきました。気を抜いて風邪をひかないように・・・。

 第8回JVNTA主催セミナー開催  香港からの報告 と 『産科』 

先日行われたセミナーに、参加して下さった方々からの報告です。

 3連休のまっただ中だったり、ピクニックに行きたくなるような良いお天気だったりするなか、

私たちの心を誘惑する諸々のことに負けないで参加して下さった皆さんに感謝します。 

《静岡市 T・Kさん》********************

午前中は、VT干葉さんの香港からの報告でした。

香港では、イギリスの資格をとったVTが働いていること、成犬成猫の売買もごく一般的に行なわれていることや、

ロンマオ(チンチラ)ブームのエピソードまで、日本では聞けない話がたくさん詰まっていましたが、

何よりも私が感動したことは、堂々とした干葉さんの講演姿でした。

言葉を選び、つなぎ、話をする。VTでこんなに立派に素敵な話ができるなんてと、

心のなかで「すごいな一すごいな一」と繰り返していた私です。


 筒井先生のセミナーでは、犬の発情から妊娠出産までのメカニズムをスライドを交えながら

詳しく講義していただいて大変勉強になり(なった気分?)ました。

「犬は排卵してから2日たたないと受精可能な卵にならない」といったことは私にとっては新しい発見でした。

講義の中で特に印象象深かったのは、ビーグル犬での全胎仔の出産時間をプロットした2つのデータです。

たて続けに生んでしまう犬もいれば、等間隔(等時間)で出産する犬、第一仔を産んでからなかなか産まなかった犬等、

犬によって出産は様々なんだということが視覚的に理解できてよかったです。

出産に立ち合う飼主さんの「まだ産まれないんです一」といった不安そうな電話の声がセミナ一中に聞こえてきて、

それらのデータに重なるように自分の犬を心配そうに眺めているその人の映像まで浮かんできて苦笑してしまいました。

また、色のかわった点(死産の点)に、

「第一仔が出てから8時間以上たっても全部産まれなかったら帝王切開に切り替えた方がbetterだ」

との先生の説明は、すごい説得カがありました。

最近、避妊手術をした犬が増えているためか、現実的に私が病院で出産時に立ち会ったり、

妊娠中の相談を受けるチャンスがだんだん少なくなってきているような気がします。

しかし、このことは今後も決してゼロにはなりえないことですね。


 このところ、しつけのことや病気のことに目がいきがちな私でしたが、このセミナ一で新しく発見したことを基にして、

少しでも飼主さんに適切なアドバイスができれば・・・と思います。


高槻市 Nさん********************

先日、といっても入会して間がないのですが、残暑のなか、大阪でのセミナーに参加しました。

今回のセミナ一では「産科」について、ということでしたので、大学生の自分にとっては知らない事ばかりで難しいのではないか、

おもしろくないのでは、と不安でした。


 実際、確かに難しかったのですが、胚の生長や、排卵に関わるホルモンなど知っていることもありました。

しかし、わからない言葉が多く、少し眠かったのも事実です。

ですが、交配に適した時期や、妊娠の期間、子宮の病気のことなど、勉強になった部分も多々ありました。


 その中でも、スライドをたくさん見せて頂いたことは、印象によく残り助かりました。

今回で産科の全てを勉強できたわけではなく、忘れることも多いに決まっています。

しかし、2回3回と勉強を重ねていくうちに頭に入ってくると思います。

今回のセミナーはその第一歩のステップとなるでしょう。


 動物看護士としていずれは働きたいと思い、入ったこの会ですが、男性の方が非常に少なく残念です。

今回の男の人の参加は、自分だけだったように思います。

もっと男性も積極的に参加してほしいです。

しかし、周りからいろいろと意見を聞いてみると、男性はとても就職状況が厳しいようです。

結婚後のことを考えると、女性よりも多くの給料を払わなければならないと思っておられる方 が多いようですが、

男性の誰しもがその様に望んでいるわけではないと思います。

つまり、必要以上のお金よりも、看護士として動物や飼主さんの役にたてたらいいな、

というボランティア精神のある人もいるということです。

そのための場の一つとして、動物病院を選びたいとおっしゃる男性方もいると思います。

しかし、現実はやはり厳しいのかもしれません。


 知り合いが誰もいないのでとても不安ですが、とてもためになる話を聞かせてもらえるので、

また機会があれば参加したいと思います。


会員の方から、自分が参加したセミナーについての感想を是非皆さんに発信したいということで、原稿が届きました。

普段聞きなれないこのトレーニング、どうやらとても興味深いもののようですよ。

  アサーティブ・トレーニングに参加して    Y・Yさん

  私は、先日6月5日と6日に岡山にて行われた講師森田汐生さんの講演とワークショップに参加しました。

この度はこの講座を体験したことについて書いてみたいと思います。


 アサーティブとは「自分と相手の権利を尊重しながら、誠実に、率直に、対等に自己表現するコミュニケーションの方法論」です。

この講演と講座は、講師の朗らかで楽しく、落ち着いた雰囲気に包まれて、講義だけではなく、実践トレーニングも交えて行われました。

トレーニングといえば、「これはただの方法論でそれをマスターしてしまえばOKなのね。」と思うかもしれません。

しかし講座を受けてみると、これは自分自身の気持ちに気付く、「一つの生き方」ということにつながると思いました。


 まず、この講座を受けた動機を書いてみたいと思います。

私は、AHTであり、獣医師の指示の下で行動を決めなければならない立場にあり、

その上で患者さんとのコミュニケーションをはかるという仕事に、本当に難しさを感じてここまできました。

一体、どのように私らしさを出していったらよいのかわからなくなっていました。

自分の言いたいことを言ったら患者さんを怒らせてしまったり、先生のやり方に疑問をもっていても

(雇われの身だから)という理由で思うように気持ちを伝えられなかったり・・・。

そして、我慢をしていたら憂鬱になってくる・・・。

そんなとき私は、

「自分の気持ちを素直に表現して、相手も自分も傷つかなくてすむような方法はないだろうか・・・。」 

と常々考えていました。

そんなことを考えているときにこのアサーティブトレーニングの

「相手も自分も大切にするコミュニケーション」という言葉が私の目に飛び込んできました。

これはやってみるしかないということで受けてみることにしたのです。
やってみてわかったのは、まず、コミュニケーションにはいろいろなパターンがあるということです。

アサーティブではないコミュニケーションパターンには、3つあり、攻撃型、断れない型、作為型とあります。


 攻撃型というのは、勝負に勝つような方法で、相手に対する言い方が非常に攻撃的になってしまうものです。

次に、断れない型は誘われたらいやとはいえない、そしてあげくには自分を責めてしまうタイプです。

そして、作為型。これは相手に悪いなと思わせて自分の得たいものを得る人です。

これらは、誰かが悪い、勝ち負けのコミュニケーションです。


 アサーティブとは誰のせいでもなく素直に伝えることが大切だというものです。

私は、こんなふうに今まで、パターンとして自分のコミュニケーションを分けて考えてみたことがなかったので、

本当に大発見でした。

実にいろいろな場面で、いろいろな型で行動している自分を見つけることができました。

特に仕事揚では、私は断れない型で、自分の言いたいことが曖昧になってしまって

ぐずぐずやってしまうことが多いことがわかりました。


 そして、いろいろな基本的なことを教えてもらった後に、具体的に自分の困っていることをもとに、

相手に伝わる言い方ができるまで実践トレーニングをやってみました。

実践トレーニングで感じたことは、人のことはよく見えて、「こうすればいいのに」なんて思うのに、

いざ自分の問題に取り組むと、患者さんに伝えたいことが伝わっていないとか、

先生に言いたいことを言うのにも回りくどすぎて何が言いたいのかが伝わらなくてただ相手をイライラさせてしまったり・・・

なかなか思うようにいかずに、自分の問題として人に対するものの伝え方の難しさを感じました。
アサーテイブの4つの柱といわれているものの中に誠実という言葉があります。

自分にも相手にも誠実であるには、第一に自分の今の気持ちに気付いているということが必要なのです。

「しなければならないことがあるけど、本当はいやだな一」とか、

「今おなかがすいていてイライラしている」「本当は断りたいのにうまくいえない」等々。

そして私は、自分の気持ちなんて些細なことだから気にしないでおこう、そして、今しなければならないこと、

今感じなければならない(そう勝手に思いこんでいる)ことは何か? とまで考える傾向にありましたので、

本当の自分の気持ちは何だろうと考えてみても、案外ぴたっとくる気持ちがありませんでした。

人の意向にそおうとして自分の気持ちを抑えていることが多いことに気がつきました。


 アサーテイブであるということは、本当の自分の気持ちに気付いて、それを意識できることでもあります。

それが、相手にも自分にも誠実なことなのです。

気持ちは抑えていると、どこかに出口を求めてしまうのです。

抑えてしまっても、感情は消えることはないのです。

そして、時間に遅れるとか、体調を崩す、顔にでてしまう…などの隠れたメッセージとなってどこかにでてきます。


 そして、次に、相手に素直に気持ちや要求を伝えるための言葉です。

いったい私の気持ちの中の何を伝えたいのだろう…と考えると、案外言葉に詰まってしまいます。

いろいろな感情をただわき起こるにまかせて人に言ってしまうのではないということです。


 第三に対等ということです。

立揚が違う人と対等に話すのは難しく、また抵抗があったりします。

とくに私たちの住んでいる日本という国には、縦社会というものがしっかりと根付いているものですから、

なかなかこの考え方は取り入れにくいものだと思います。
このアサーテイブネスというのは、1970年代に女性解放運動の中で生まれてきたものです。

長い間じっと我慢を強いられ、自分たちの意見を言えなかった女性たちが、私たちにもいいたいことがある、

私たちも自分たちの権利を主張してもいいんだと、立ち上がるために使われてきたものなのだそうです。

相手と立揚が違うときに、相手に対して自分を卑下しないと同時に、自分より弱い立場の人に対して、どう接していくかです。

そして、最後に自己責任です。

自分の行動が引き起こす結果に責任を持つこと。

ただし、自己責任であり相手の行動の責任をとるのではありません。

伝えたい人との関係をどうしたいのか、これからも続けていきたいのか、十年先、二十年先どのような関係でいたいのか、

ということも考えに入れるのです。

私は、「ええー!? そんなことも考えに入れていいのかな?」と思ったりしました。

でもそれは、何でも曖昧にしておきたかった私の気持ちからくるものではなかったのかな一と今にして思います。


 日頃何気なく使っている言葉も伝えたい言葉を選び使うとなると難しいものがあるけれども、

練習を積み重ねていくうちに少しずつでも分かりやすいものの言い方が出来るようになり、

自分の考えもはっきりしてくるのではないかと思いました。

これからも機会があればこのトレーニングを受けて、自分のコミュニケーションの技術を磨きながら、

自分自身を高めていきたいなーと思いました。


参考文献「第四の生き方」アンディクソン著 竹沢昌子・小野あかね監訳(つげ書房新社)

     「言葉に出そう、自分の気持ち(アサーティブトレーニングのすすめ)」森田汐生著(横浜女性協会)

     「アサーション・トレーニング〜さわやかな〈自己表現〉のために」平木典子著 日本精神技術研究所(金子書房)


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