小田原建築探偵   
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佐和山遊園〜6


でも実は池の前はこんな感じ。人を入れ
ないで撮影しようとすると池のまん前ま
で進まないと不可能だ。


金閣の撮影ポイントはいつでも人人人。
この風景はいつの頃から続いているの
だろう? 池の前は、いつもざわついて
いて、とても風情など味わう状況では
無い。これは金閣に限った事では無い
けれど...

「青苔を踏みにじり、女を追う紳士、赤松
によじ登り下のカメラにポーズする女性
、石を拾い池に向ってピッチング練習如
きものをする学生。鹿苑寺の番人達は
声を嗄らして怒号するが衆寡敵せぬあ
り様で。」

小説金閣寺の解説に引用された消失の
年、小林秀雄氏が金閣を訪れた時の園
内の描写である。何と現在より、ひどい
見物客の状況が描かれている。


悲しいかな、今見ている金閣は昭和の
それであり室町のあれではない。再建
されたものだ。だからありがたく無いと
言う訳ではないのだが...この金箔の輝
きも昭和60年代のものだ。


消失前の金閣の写真を見ると現在の姿
の様なキンキラキンでも無く、”金色だ
った”感じを受ける。現在の雰囲気と違
う印象を受けるのは写真が古いせいな
のだろうか?


ここにある風景は絵葉書や観光ポスタ
ーで見るものと変りない。絵葉書との違
いと言えば、池の前に舞子さんが傘を
さして佇んでいるか、いないかの違いく
らいだ。