小田原建築探偵   
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別府湯煙旅情〜幻のビルマ館 万博遺跡 蟻地獄3


”話だけだったんだなビルマ館”と結論付けて
いた私の元にある日、大分のTさんと言う方
から衝撃的なメールが届いた。


「貴方が捜していると思われるものが、昔よく
行った叔父の別荘の近くの畑にあるのですが..」

内容を読む。「えっ! まさか...」


「私自身、大阪万博の事は良く知らない世代
なのですが...近くの畑にあるものが昔から気
になっていて...調べていくと貴方のサイトに
行き着いたのでメールした次第で..」


メール到着の翌週、大分別府に飛んできた。


空港から別府駅前に着き先ず向ったのは
岡本太郎作の壁画 ”緑の太陽”がある西
口側にあるビル。約20年ぶりの別府だが
あの時はこんな場所に岡本太郎作品が
あるなんて知らなかった。


偶然にもこの通りの名前は青山通りと言う
のだそうだ。通りの名前も太郎作品が似合
う。

製作は太陽の塔とほぼ同時期の1969年。
タイル製作も太陽の塔の裏 ”過去の太陽”
と同じ信楽焼きだそうだ。

伸ばした手が今にも何か掴みそうな作品だ。
掴めそうなものは探しているビルマ館か?


湯煙の向こうにあるかも知れない幻を探す旅。
そんな遺跡発掘の出発地として、こんなにふさ
わしい場所はない。


「太郎さん!俺に力を貸してくれ!

俺の背中を押してくれ!
風はどっちに吹いている?

どっちでも良い。あんたと一緒なら..
さあ行こう。俺達の幻を捜しに...」

ぎゅっと太陽の塔ストラップを握りしめた。

「痛っ!」

塔の鋭い両腕が手のひらに食い込んだ。


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