小田原建築探偵〜熱海編      
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風雲熱海山16〜風雲文庫  


八角塔バルコニーから見る相模湾。 眼下
に熱海温泉街、晴れた日には
昔サンシャ
イン60、今六本木ヒルズ
迄、見渡せる。

止まっている様に見
える穏やかな海面。
展示品で重くなった気分を癒してくれる
絶景。
平和である事の喜びを噛み締める。

少し軽くなった様な気分を再び重くしなが
ら軍歌の流れる階段を降り
塔を出る。

ふーっ。大きく出るため息。この後、別棟
地下にある
異空間、”ヒーローの家”と名
付けられた展示場に案内される。

掲示してあるテーマには”栄光”と書か
れている。外の看板には確かブラック
ホールとも書かれていた。

そうだ。この階段は正にブラックホール。
迷宮にポッカリと空いた黒い穴。入って
しまって良いのか?降りていって良いの
か?戻ってこれるのか?

迷う心に進む足。黒い穴に吸込まれる
様に足が動く。

ここで、先程の逆卍(まんじ)の意味を理解
する事となる。そこに
は、如何に収集した
のかヒトラー
の遺品の数々。

軍服、原稿、時計等々。そういう事だっ
たのか。ハーケンクロイツ。

ヒトラー以外にもスターリン、レーニン、
ナポレオンらの遺品。

それらが、半端でない数の迫力で、これ
でもかと迫ってくる。


この場所も直球勝負。豪速球。

打返せる訳がない。地下への階段
を降りた時から流れ続けるBGMは
ベートーベン”運命”。 凄い圧力だ。