スタビライザー その後の姿

 その後スタビライザーは廃れたわけはなく、小型化に成功してイン・ボード化されたようである。そのため

模型では再現を省略することが多く、最近では当たり前となった物を、取りたてて扱う文献資料が数少ない事情

により、非常に情けないところだが見逃してしまった。

 考えてみれば四輪独立懸架にふんばりを効かせる部品を投げ出すはずがない。ただし、以前に比べて空力

がサスペンションに重圧をかけている以上、サスペンション・ストロークは後輪で30mm、前輪で最大20mmと

極めて小さいため、スタビライザーも大して大きなストロークを要しない。

 なんでも90年代半ば(アクティブ・サスなるゲテモノの後釜)からは、サード・サスペンションが現れた。

要は、ピッチングではスプリング・レートを大きくとり、ロールでは小さくしたい。しからば、ユニットを

追加して対処しようという事らしい。下に示す上面図を見ると、見かけ上はアンチ・ロール・バーが無い。

作動は下図のようになる。サード・ダンパーに繋がるロッキング・アームが、アンチ・ロール・バーとして

機能し、バンプ時はロッキング・アームが水平のままサード・ダンパーを屈する。

 すなわちロール時には左右個別のダンパーのみが作動するのでソフトだが、バンプ時には三つのダンパーが

同時に作動するのでハードとなる。

 

 (Fulcrum 著)

 

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