最新の空力部品における検討
新しい空力部品には正式な呼称が見当たらないので、あえてSPW(Side Pontoon Wing)と呼ぶ事にする。
(その後、「アッパー・ボーダー・ウィング」という公称がついたが、この記事ではSPWと呼ぶ)
これはボーダー・ウィング(サイド・ポンツーンの下端に追加した水平板)の真上、サイドポンツーンの前縁上部に追加した
小羽根である。この部品は2004年度中にあって、他のどのチームも採用しなかった空力部品だが、2005年のトヨタが
採用してきた。トヨタにはジョーダンからニコロ・ペトルッチという空力エンジニアが移籍してきたらしいが、件のSPWは
ニコロ・ペトルッチが考案した物だとの噂もある。大幅なレギュレーション改正を受けてエンジンの供給を約束した代償に
トヨタが触手を伸ばした新案の効果とは如何なるものなのだろうか?一説には、その部分のダウンフォース増強ではなく
整流を期待しているそうで、絶大な効果があるわけではないとも聞くが、芳しき隠微なる甘い香りが漂うではないか。
ただし、レギュレーション上、バージー・ボードのマシンは、件のSPWを装着できないという事だから、秘すればこそ華
とも言えそうである。ここは一つ、一枚剥ぎ取ってみたくなった。
(Fulcrum 著)