要素の生成 物体の要素
次に、「物体の要素」を生成する。空気要素の中に平面要素を挿入するわけだ。
立体要素の品質が良ければ、平面要素は必ず品質が保証されるので、心配は無い。
なお、今回はウィングやサス・アームなどは、断面形状を一切無視している。よってウィングは体積を持たない。
計算誤差を考えると、翼断面の違いは目に見えないからだ。(翼断面の違いを計算に反映させたければ、もっと
精密なモデルが必要になるし、もっとハイ・パフォーマンスな計算機が必要になる)
ところで、ここで厄介な問題が出てくる。 平面要素における表裏の定義である。これを各平面要素で揃えていないと
正圧と負圧の定義が定まらなくなる。しかし前出のパーティション面の表裏を一々定義してなかったから、物体の要素は、
下図の如く不揃いである。(どちらを表とするかは定義の問題だが、赤と黒では表裏が逆である)
なにしろ数が多いから、これを拾って直すのは厄介なれど・・・やるしかない。
これが終ると、文字通り、モデルが完成する。
後は、「どっちの方向から風が吹くか」や「タイヤの回転数」など、流体の各設定を行い、計算に駒を進める。
計算というのは、人間でなく計算機の仕事だから、ほっときゃ計算機がせっせとソロバン弾く?わけだが、
この計算というのが50時間もかかるので、平日はやりたくない。 となれば金曜の夜からスタートして、
月曜の早朝までがチャンスってわけだ。 だから金曜日というのは、世間の賑わいを他所に、夜遅くまで
孤独な闘いを続ける事になる。
(Fulcrum 著)