簡略化の指針
8人くらいの会議で図Aを広げると、大概は5:3の比率で意見が分かれるのだが、「多分、全員が
俺と同じに考えているだろう」との思い込みがあるためか、確認せずに議事を進行すると、一週間後には
現場で不協和音が生じる。
実際の会議にありがちな例を再現してみよう。
測定担当:「測定の結果、おおよその事が分かってきました。図Aの波形に問題があると思います!」
機械担当:”これ、傾向を平坦にしないとなぁ・・・” と思う。(図Bをイメージしている)
電気担当:”データのばらつきが大きい。ソフト制御の許容感度は・・・”と思う。(図Cをイメージする)
図Aを論ずるに当たり、図Bに注目する事も、逆に図Cに注目する事も、両方とも非常に大事なのだが、
同時には扱えない問題なので、二つに切り分けて考える必要がある。
注)これは一例であって、機械担当が必ず上の様に考えるという意味ではない。単に同床異夢を言いたい。
実際のF1チームでは、概略の傾向は既に知り尽くした上で「3%の効率向上を如何に生み出すか」
について研究している。その意味でスタッフ全員の意識は、上の例で言う図Cの議論で一致している。
図Cを議論するからには、CFDも個々のデバイスに区切って、詳細なモデルを必要とするのは当然である。
しかし、我々のような素人レベルでは、全体を通した概略の傾向を把握する事の方が大事だと考えて、
この解析を実施した。だから、この記事に使用するモデルでは、かなり大胆な簡略化を施している。
(Fulcrum 著)
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