解析の条件
・速度設定
風 速 :50 m/s 一定
地面移動速度 :50 m/s 一定
車輪回転速度 :1447 rpm 一定
解析条件の走行速度を 50 m/s とした理由
風船に詰めた空気は圧縮するが、開空間における空気は通常圧縮しない。
その証拠に二つ入口が有る教室のような大きな部屋では、片方のドアを開くと向こうのドアが釣られて閉まる事が有る。
ところが開空間でも物体が高速で移動すると、物体近傍の空気は避けきれずに圧縮する。更に物体が高速だった場合、
空気の圧縮が限界に達する。これが音速である。(圧力が上がって、終に空気が「振るえるための柔らかさ」を失うと、音、
つまり振動が伝播しなくなる)
この現象はマッハ0.6あたりから顕著になるので、飛行機屋はそれ以下の速度域を問題としないが、厳密にはドラッグや
ダウン・フォースに影響が出るので、クルマ屋は 300km/h あたりから始まる小さな変化にも気を配る。
今回使用した解析ソフトは、div V=0 が成立しない条件、つまり圧縮性流体を扱えないので(これを上回る速度域でも
計算結果は算出されるが、物理現象として疑わしい結論になりかねない)解析条件を 50m/s(180km/h) とした。
しかし考えようによっては、高速コーナー入口こそ最もダウン・フォースを必要とし、速度域も180km/h内外であろう。
・空気の物性
参考) 計算解の解法
この解析では簡易的な乱流解析を適用しており、最小の渦(最狭流路の1/5程度の規模)を定義して、それをすべての部位で適用している。 確かに、遷移境界より壁面に近い気流の論じるならば、誤差が目に付くが、
全体の圧力分布は、ある程度信用できると考える。
(Fulcrum著)